リゾート学園、開校!?【到着編】エイジ資金による奇跡
──ようこそ、夢の扉へ。
「着いたぞー!!」
エイジの声が、海風に乗って響いた。
バスの窓から見えるのは、まるで映画のワンシーンみたいな景色。
白砂のビーチに、ゆらゆら揺れる椰子の木。奥には高台に広がるヴィラ群。
「え、ここ……泊まるの? 嘘でしょ?」
「やばっ!ここ、CMで見たことあるとこじゃん!!」
盛り上がるクラスの中で、エイジは涼しい顔でひとこと。
「ふふん、今回はここを──貸し切りだ」
叫び声と拍手と、謎の雄叫びでバスが爆発しそうになる。
【ヴィラ見学タイム】
チェックイン後、グループごとにそれぞれのヴィラへ。
エイジ、マモル、タクトは三人部屋。
扉を開けると、ふかふかのベッド、テラスにはジャグジー、
ミニバーには各国のスナックが並び、ふわっと香る高級アロマ。
「ひえ〜……これ本当に学生の合宿でいいの?」
マモルがあんぐり口を開けて言った。
「まあ、旅は“拠点”が大事だからな」
エイジが当然のようにスーツケースを開ける。
中身は、たったの数着。それもさらっと畳まれているだけ。
「荷物、それだけ?」
「服なんか、一度着たらクリーニング頼めばいいじゃん。ホテルの人が取りに来るし」
「へー!旅慣れてるねー!!」
タクトの荷物は真逆だった。ミリ単位で整列されたスーツケース。
ノートに色分けした蛍光ペン、筆箱は高機能の文具セット。
「さすがだな、準備の鬼……」
「無駄を減らすと、集中できるんだ」タクトがさらっと答える。
「で、俺のはこれだー!」
マモルは誇らしげに、バサッとトランプやらボードゲームやらを並べた。
「えっこれ、全部遊ぶやつじゃん」
「うん、せっかくみんなで来たんだから、さ! 夜とかやりたいじゃん!」
「いいじゃん!やってみたい!夜元気があったらやろうぜ!」
荷もつを出してホッとして、ふわふわのソファで、一息。
スタッフが差し出したウェルカムドリンクは、くり抜かれたまるごとのパイナップルにパイナップルジュース!カラフルな傘が1本ずつ刺さってる。
「パイナップルが丸々来たと思ったら」
「なにこれ!パイナップルにジュース入ってるんだけど」
「えへへ、ウェルカムドリンクも思いっきりランクアップしてみた!リゾートっぽいだろ!?」
「すっご!豪華すぎ……」
「でも、これはまだ序章だよ」エイジはにやりと笑う。
「これから、とっておきのプレゼントがあるからさ──」
「プレゼント?」
「まあまあ、すぐにわかるさ」
南の空がだんだんと色づいていく。
風の匂い、音の響き、普段の学園とは全然違う空気。
旅の“物語”が、いま静かに開き始めた。
ここまで読んでくれてありがとうございます!
今回は、ついに始まった“リゾート学園”の幕開け編でした。
バスでの道中、ヴィラに到着して、ちょっとした部屋の個性など、
旅のワクワク感を大切に描いてみました!
──さて、気になる“エイジからのプレゼント”の正体は……?
次回、
『エイジのおごりだ!〜1日目の夜!』
プレゼントの正体は、一体!?
リゾートで本気を学べ! お楽しみに!