7 王城に住む
マリエールは皇太子妃になることなったので王城に住むことでなった。
7 王城に住む
夕食の後兄は父親に相談したらしい。その結果兄は父親の後次ぐため役所の仕事は退職することにしたそうだ。兄本人が届けると翻意を促されるかも知れないので父親が宰相に退職届けを提出するそうだ。この情報は分身体からのものだ。透明化して屋敷を歩き回る。テレパスもできるから兄の心情も判る。兄は皇太子派ではない。父親も同じだ。かと言って2人とも第2第3王子の派閥でもないし東の国が擦り寄る勢力でもない。しかし兄は判る。マリエ―ルが冗談で言ってないし処刑の話しも本当なのだと。つまりこのままだと本当に兄はマリエ―ルに殺されると。
王妃教育は駆け引きを学ぶ場だと思うが、マリエ―ルは王妃に合格点を貰えるのだろうか。それとも王妃もマリエ―ルの本気を察して殺されないように振る舞っているのだろうかと兄は考えている。
取り敢えず、これでいいかとマリエ―ルは考える。まずは引っ越しだ。すでに引っ越しは済んでいるので、マリエ―ルだけ移動すれば終わりだが、挨拶周りとかが大変だ。
何時ものように第1王子のところに転移した。
「今日から王城で暮らします。いろいろご指導ご鞭撻お願いします。」
第1王子は驚いたようにマリエ―ルを見る。
「ご指導ご鞭撻が欲しいのは私の方だ。どうすれば国民が豊かに安心して生活出来るのか、きみに幾ら教えて貰っても中々立案出来ない。きみと一緒にやって行けばいいと判っていても自分で考える部分も必要だと思うんだ。」
始まった自己評価の低さ。自信過剰よりはいいがちゃんと自己評価しないと頼りきりに成るぞ。
「そのお考えこそ尊いことです。何事も相談して決め独断しないようにすることこそ名君の資質です。ただ私案は持っておき、ここは譲れない線だと言うものを貰っていないと言われるがままになるので駄目です。」
子どもは私の方なんだから、そんなところで感心しないでよ。調子狂うな。
「王子、挨拶周りの付き添いお願いします。」
国王、王妃、王族、各大臣、大貴族---------。
「この位かな。後はその都度説明しよう。少し疲れだろう。お茶にしよう。後側近に明日の段取りを説明させよう。」
側近の説明を聞いて思ったことを話す。
「皇太子、皇太子妃に割り当てられるのは、独自の近衛隊100名位と独自の政策ですよね。この二つは別個に予算があるのではなく皇太子、皇太子妃の経費から出すのですね。それが他の王族に比べ格段に多いので政治に参画出来るのですよね。」
マリエールは、自分の側近と近衛は全てアンドロイドで編成するので予算はいらない。独自の政策として食品産業などの産業、灌漑事業などの事業、そして産業や事業を取り仕切る商会を作りその場所を提供して貰う。と話した。
「場所なら丁度いいのがあるよ。国王に別荘でも建てろと言われて貰らったけど、広さはきみの実家の倍位、王城に近いけど市民地区にも接しているからやり易いと思うよ。」
とんとん拍子に話しが進む。文官が議事録や設計図面を書いてくれる。明日の皇太子の就任挨拶で説明することになった。
産業や事業を担う拠点を作る。