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一章 四:家
ずいぶん期間が空いてしまいました。
申し訳ございません。
これからも不定期更新になるとは思いますが、暖かい目で見守っていただければ幸いです。
でわ
父が母の狂フライパンに沈んで一時間後。
我が家の居間では何事も無かったかのように夕飯の風景が繰り広げられていた。
メニューはもちろん、ちらし寿司。
これには先ほどまで玄関先のアスファルトと熱いキスをかわしていた父も小踊りして喜んだ。
完成するまでの間、ちゃぶ台の回りをくるくると回りながら踊る父の姿は、誰が見ても異様な光景であったことだろう。
そして、どこかの野菜星の戦闘民族よろしくちらし寿司を平らげた父は今現在、一転して真面目な表情で俺の正面に母と並び座っていた。
「実はお前に大事な話があってだな…」
そんなことは百も承知な俺は「それで?」とばかりにまばたきを数度して先を促す俺。
それに対して、父はやけにゆっくりと湯呑みを上げて一言、言い放った。
「しかし……説明するの面倒だな」
「はぁ!?」
驚きも束の間、父は湯呑みをちゃぶ台へと音を立てて叩きつけた。
そして、視界は光に包まれた。