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職業、魔王!?  作者: 狐丸
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一章 参:部

遅くなり申し訳ありませんm(__)m


執筆中のデータの半分が消えるという事故に見舞われ、ヤル気も消えていました。


それではまた後ほど

 今日はテストを返却するだけで、授業もないため、昼前にホームルームも終わり既に放課後。


 俺とたくあんは再び山を登っていた。



 何故また登っているのかというと、別に何ということもない。部活動をするためである。

 その部活をするための場所が、これまた初代理事長の趣味だか何だか知らないが、学校の更に上、山の頂上にあるというだけの事。


そしてそこへ今、俺とたくあんは向かっているというわけだ。



起伏にとんだ山道を登りながら、たくあんが口を開く。



「ホント毎日毎日、上に行くだけで疲れるよな!」


「そうだな。でもまぁ足腰が鍛えられていいんじゃないか?」


「そうだけど―――」



 隣から聞こえる約二年間、幾度となく繰り返されたであろう愚痴に、適当に相づちを打ちつつ、一歩一歩、歩を進めてゆく。





そして、十数分後





「ほら!着いたぞ」


「ようやくか!!」



 俺の声に顔を上げ、返事をするや男子更衣室に入っていくその姿からは、先ほどまで口から散々撒き散らしていた『疲労』の『ひ』の字も見受けることが出来なかった。


「何が、『上に行くだけで疲れる』だよ…」



思わず溜め息交じりにそう呟くと、俺も着替えるべく、たくあんの後を追った。




 更衣室には、一足早くホームルームを終えて来ていたのであろう。部長が既に着替えを終え、部員を待っていた。



「こんにちは、部長。今日は随分早いのですね」


「そうなんだぁ♪三年生はねぇ、定期テストなんてあってないようなものだからねぇ♪」



 この、何だか気の抜けるような話し方をする人が、俺達の所属する部活『合気道部』の部長である。

 普段はこのように、ふにゃふにゃしているのだが、ひとたび争いごととなると、無類の強さを発揮する。半年に一度行われる『武道部合同練習試合』においても、必ず3位以内には入る猛者なのだ。



「今日わぁ、僕の都合が悪くてぇ、あんまり遅くまでは稽古出来ないんだぁ、ごめんねぇ」



そう申し訳なさそうに言う部長に、俺達はあわてて気にしていないということを伝える。




 なぜならこの部長、肉弾戦となると『向かうところ敵無し!』なのだが、舌戦や精神攻撃にはめっぽう弱く、すぐに言い負けてしまう。事実そのせいで、前回の『武道部合同練習試合』では、『口喧嘩部』に敗北し、優勝を逃している。閑話休題。





 そんなこんなしているうちに、更衣室には人が集まり始め、それほど広くない更衣室は満員に近付きつつあった。



「部長、もうそろそろ稽古場に移りましょう」



他の部員と話している部長にそう声をかけ、俺達は一足早く更衣室を後にし、稽古場へと足を運んだ。





―――――――――――





既に陽は沈み、白銀の三日月が辺りをぼんやりと照らすなか。




「部長の嘘つきーーーー!!」



夜の闇にたくあんの心からの叫びがこだまする。



 時計の針は既に9時をまわり、俺達の予想していた『あまり遅くまで』が示す時間は疾うに過ぎていた。

 確かに、これから山を下りることを考えると叫びたくもなる。


たくあんに一言声をかけ、背を向け歩きだすと、後ろでしばらくギャーギャー喚いていたが、疲れたのか黙って歩きだした。





――――――――――





星がチカチカと瞬く夜空の下


消えかけ点滅する外灯の光に照らされながら、足を伸ばしてベンチに座り込む学生が二人。


言わずもかな俺とたくあんである。


9時を過ぎると麓まで来るバスは1時間に一本となり、それを待っているというわけだ。



その後、しばらくすると二本の光の筋が俺達二人を照らすと、ゆっくりと止まった。



「おい、起きろ!」


「ん?あぁ…」



俺の隣で呑気にいびきをかいていたたくあんを起こすと、ようやく到着したバスに乗り込んだ。





――――――――――





「………………」


「お客さん…お客さん!」




体を揺さぶられて目を覚ます。

どうやら眠っていたようで、運転手が終点で起こしてくれたようだ。幸い俺が降りる停車場も終点なので、この運転手には毎回お世話になっている。



「んっ!ありがとう」



適当にお礼を言いつつバスを降りる。バス停と家は、そう遠く無い。



数分後、俺は家の前に立っていた。



「……居間の電気が付いてる…」




覚悟はしていたがやはり、実際に帰って来ている証を見ると改めてうんざりする。



一度大きく深呼吸して…

いざ、心を決めて玄関の扉を開く。




刹那、何が起きたのか分からなかった。しかし、日頃の稽古のおかげか、扉の隙間から繰り出された拳を紙一重で避け、その勢いを利用し、投げる!


相手は投げられる事を予想していたかのように、クルリと受け身をとるとスッと立ち上がり、指を俺を突き付けた。



「ちらし寿司はどうした!?」



そう言うと同時に再び殴り掛かってくる父。ブンブンと腕を振り回しながら何やら叫んでいる。

「お前っ!はっ!ちらし寿司っ!の!――――」

要するに俺が、ちらし寿司を作っていなかったのが気に入らないらしい。



とりあえず、一度大きく後ろに跳び距離をとる。

ちらし寿司に狂った父が、今にも俺に飛び掛かろうかという時。身構える俺の耳元をブンッ!と何かが高速で通過していった。

何事かと、思わず後ろを振り返ってみるも…何もない。その更に後ろ、父のいる方からカランッという何かの落ちる音がして視線を前に戻すと、地に落ちたフライパンと立ち尽くす父の姿。


その姿がゆっくりと膝から崩れ落ちる。


その直前に、父が発した言葉。それは…



「Flyするフライパンか……」






「………だじゃれかよorz」


思わず崩れ落ちた。

やっと次回!異世界へ行きます。

ホントに長かった。




あっ……主人公の名前決めなきゃ

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