一章 弐:登
予定より投稿が遅くなってしまいました。
申し訳ありませんm(__)m
今回は、前回よりは若干読みやすくなっているかと思います。
少し書き方?を変えてみました。
もし、読みやすくなったと感じて頂けたなら書き方の変更は大成功ですね。
それでは!
『一体何が目的か?』そんなこと、あの馬鹿親二人の場合、いくら考えても分かるわけが無い。
結局、そう判断し、考えることを止めた。
玄関を開けると、
外はシンとした空気で満ちていて何とも気持ちが良い。
「この時間なら余裕だな…」
俺の通う高校は、やたら辺鄙な所にあり、ほぼ山の頂上付近。
なんでも、初代理事長が山登り好きだったらしい…
なんともはた迷惑な話である。
バスは、その山の麓までしか出ておらず、そこからは徒歩。
普通に歩いて50分ほどかかる。
新入生のほとんどが、入学式早々遅刻するというのも、全国探しても、うちぐらいだろう…
まぁ、俺もその例にもれずしっかり遅刻したくちだ。
「くそっ!相変わらず険しいな」
バスを降りたのは20分ほど前、なのにも関わらず、いまだ山の中腹付近。
そこら辺に、一年生らしき者達が多く座り込んでいる。
「おーい!」
「うん!?」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえて、振り向くと、息を切らせながらこちらへ向かって来る、たくあんの姿。
「おす!」
「よぅ!今日は早いじゃないか」
たくあんが出会って早々に失礼な事を言う。
「何言ってんだ、いつも遅刻してくるのはお前だろう…」
「ありゃ!そうだっけか!こりゃ失礼」
そう言ってガハハと笑う。
相変わらずの三枚目だ。
「そんな事より、今夜、大丈夫か?」
「あー…いや、ちょっと難しいな…」
「何でまた!?珍しいじゃんか!」
たくあんが驚くのも無理はない。
俺の家は、基本的に俺一人しか住んでいないため、何かある場合は、毎回うちに集まっていたのだ。
「いや、俺も遊びたいのは山々なんだけど………」
「じゃあ、いいじゃん♪」
「それが…そうはいかないんだよ!今夜、親父とお袋が帰ってくるんだ…」
たくあんが、ハッと息を飲む。
「…それは本当か?」
あぁ…。そう答える俺の肩に、ポンッと手を置き、たくあんが神妙な顔をして口を開く。
「お前とは長い付き合いだ、中学の頃からだから、もう5年も経つ……」
「…あぁ、そうだな」
もう片方の肩にも手を置き、たくあんは深く息を吐き、首を左右に振る。
「だけど…それも今日まで!今までありがとう!それじゃ!」
早口でそう言うと
サッと踵を返して、ダッシュで走り去ろうとするたくあん。
しかし、それは俺に簡単に襟を掴まれて失敗に終わる。
「嘘です。ごめんなさい。僕達友達!一生友達!だから、崖に連れて行かないで~!」
俺に襟を掴まれ、中ぶらりんのまま、一人で訳の分からない事を喚いているバカ。
「おい!バカな事言ってないで、さっさと行くぞ!」
俺はそう言うと、襟から手を離しさっさと歩きだす。
たくあんは、うちの両親の奇人変人ぶりを知っている数少ない人間だ。逃げたくなる気持ちも分かる。
「それで……今回は何が目的なんだ?」
追い付いたたくあんが真面目な顔で問う。
「それが…分からないんだ…」
「何だって!?それじゃあ対策が立てられないじゃないか!」
驚きの表情を浮かべるたくあん。
「あぁ…そうなんだ」
驚きの表情を浮かべたままのたくあんと、疲れた表情を浮かべる俺。
俺達は、どちらともなく大きな溜め息をつくと、我らが雲海高校の馬鹿でかい門をくぐった。
いまだに主人公の名前が出てきてませんね……
まぁ、単純に名前を決めていないというだけなんですがね(^o^;
次の参まで、現代の描写が続きます。
異世界は?という方、もうしばらくご辛抱下さい。