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第545話【番外戦、ジオンググvsアスラン】

【ご報告】


元々両目の視力が悪かったのですが、数日前に左目の血管が病気で破れてヤバイことになっております。


片目だと視界が狭くなり、距離感が掴めずに、文字も霞んで見えて文章を書くのすらままなりません。


私生活は何とかなるのですが、テレビゲームも良く見えないから遊べないし、車も運転できませんので、大変不便しております。


文字がハッキリと見えてないので、誤字も探すのが大変です。


もしかしたら、更新が送れたり、休んだりするかも知れません。


その時はごめんね。

ジオンググは首を左右に振ってゴキゴキと脅迫的な音を奏でながら俺に近寄って来る。


ジオンググが凄みながら述べた。


「これは喧嘩だ。祭りの試合じゃあない。どちらが強いかの意地の張り合いだ。逃げたくば、逃げればいいさ。だが、俺は毎回飲み屋で酒を飲む際に言いふらすぜ。ソドムタウンのアスランは、俺に喧嘩を売られて、尻尾を巻いて逃げやがるヘッポコ野郎だってな」


何を言ってるの、このオッサンは……。


普通はお前みたいな喧嘩祭りの優勝者に喧嘩を売られたら尻尾を巻いて逃げるだろうさ。


考えてからしゃぺりやがれよ。


周りを通りすがった人が騒ぎだした。


「おい、誰か喧嘩を始めたぞ?」


「あれ、ジオンググじゃねえか?」


「喧嘩祭りの決勝戦はどうなったんだよ?」


あ~、ここは町外れとは言え喧嘩祭り会場の直ぐ側だもんな。


やがてギャラリーが増え始めた。


そりゃあ野次馬だって集まってくるだろうさ。


「おい、ジオンググと向かい合ってるの、予選会で全裸になった変態野郎じゃあないか?」


「ああ、間違いない。あの時の変態野郎だな。俺は金玉を蹴られたから覚えているぞ!」


少しは俺も有名になったんだな。


ならば、ちょっとぐらいは格好つけようかな。


俺が気取りながら睨み返していると、ジオンググが距離を間合に捕らえる。


「逃げないってことは、この喧嘩は成立なんだな!!」


ジオンググが拳を高く振りかぶった。


「その覚悟に感謝するぜ。だが、一発で決めてやる、そらっ!!」


顔の高さから拳を放ったジオンググが俺の顔面を狙う。


速い。


──が、見える。


幾ら速かろうと、打つのが分かっているパンチは躱すのも容易い。


しかも、このオッサンはいつも顔面しか狙ってこない。


いつでも一発で決めたい思いに拘り過ぎて必殺を狙い過ぎてるんだ。


素人相手の喧嘩なら、それでも勝てるんだろうが、相手が悪かったな。


そんな素人セオリー俺には通じないぜ。


「うらぁああ!!」


コークスクリュー気味なパンチが俺の顔の横を唸りながら過ぎた。


俺がジオンググのパンチを躱したのだ。


それも右足を軸に半身を僅かに反らしただけの最小限の動作でだ。


「何が一発で決めるだ。そのパンチは二発目だろ」


俺はパンチを振り下ろしたジオンググの右に移動してから横からジオンググの肩を越えてパンチをこめかみに打ち込んだ。


俺の拳が綺麗にジオンググのこめかみにめり込んでいた。


ジオンググの両眼がグルリと回るように揺れたのが見えたぜ。


良いのが入ったかな。


目を大きくひん剥いたジオンググが片膝を付いた。


しかし、まだ、決まっていない。


「流石はタフガイだな。一発でKOできなかったぜ」


ジオンググが片膝を上げると同時に裏拳を振るった。


「ぞらっ!!」


俺は飛んで避ける。


ジオンググが頭をトントンと叩きながら話した。


「そうでなくては……。身長、体重、共に俺より小さいながら、体内に秘めた力量は超人クラス。年齢も俺に比べて若輩ながら冒険の経験を数多く積んでいるのだろう。その実力は、俺の目には隠せないぞ!」


「オッサンこそ良い感してるな。そうだ、身長、体重、年齢、すべて俺がオッサンより一回り小さいが、強さだけなら俺のほうが一回りも二回りも上だ」


「挑発までしてくるか。生意気な餓鬼だな」


ジオンググが両拳を固めながら腕を上げて胸を張った。


腕は開かれ両拳は顔の高さだ。


まるで防御の余地がない構え。


防御を考えていない構えだ。


むしろ構えとすら呼べない構えである。


まるでそれは、ヒグマが後ろ足だけで立ち上がり腕を広げながら威嚇してるかのようなスタイルだった。


攻撃のみを狙った一辺倒な構えである。


「防御を捨てたか……」


「次の一撃で決める!!」


さて、どうするか?


先に当てて決めるか、躱してから当てるか、それとも──。


「テメー、冒険者に喧嘩を売ったことを後悔させてやるぜ」


「できるかな」


ジオンググがジリジリと前に出てきた。


俺は唐突に掌を前に出す。


「食らえ、ライトニングボルト!」


俺の掌から電撃が飛翔した。


その電撃はジオンググに命中して感電させる。


「ぐぉっ……!!」


「ファイヤーシャード、ファイヤーシャード!!」


「熱い、熱い!!!」


「これが冒険者の喧嘩だぜ。冒険者って奴には魔法使いだってたくさん居るからな~」


「卑怯な!!」


更に俺は異次元宝物庫からスターメリケンサックを取り出して右手に装着した。


【スターメリケンサック+2。ショットガン式の連続パンチを一日一回繰り出せる。メテオ式巨大拳を一日一回繰り出せる】


「凶器か……」


「流石にこれで殴られたら一発でKOできるかな~」


俺がメリケンサックを装着した拳をチラ付かせながら前に出るとジオンググが一歩後退した。


なに、こいつ、ビビってるのか?


「引くか?」


「引かぬ!!」


言うなりジオンググが前に出てきた。


簡単に挑発に乗りやがる。


「怯むものか!!」


ジオンググが左のフックを繰り出した。


俺も左のフックを繰り出してジオンググの拳に拳をぶつけてやった。


ガンっと音が轟く。


「ぐあっ!?」


ジオンググが拳を押さえながら引いた。


「なんて硬さだ。左手はメリケンサックを嵌めていないのに、まるで鋼鉄!!」


まあ、糞女神に貰った左腕は見た目こそ普通の腕だが、その強度は鋼鉄だもの。


拳どころか剣や斧すら弾いてしまうからな~。


「まあ、食ってる物が違うんだよ!」


「何を食ってるんだ……」


「今度はこっちから行くぜ!」


そして俺のダッシュからのボディーブローがジオンググの腹部に突き刺さった。


「がはっ!!


メリケンサックの先がジオンググの腹筋に一の字を刻む。


更に左のアッパーカット。


更に右のハイキックを顔面に打ち込んだ。


俺のコンボにジオンググが顎と鼻を押さえながら中腰でよろめき下がる。


前歯が抜けて鼻血を流していた。


「おのれ、冒険者が……」


「冒険者を舐めんなよ」


「街頭の喧嘩で、丸腰相手に武器や魔法を使うとは……」


「なんだなんだ、暴力で勝てないからって今度は論破ですか。喧嘩屋も落ちたもんだな~」


「嘲るな!!」


俺はメリケンサックを外しながら言った。


「じゃあ、素手で相手してやんよ。魔法も使わない。根性だけで相手してやんよ」


「ここまで人を痛ぶっといて、良く言うわ……」


「ええ~、嫌ならいいんだぜ。このまま魔法と武器で病院送りにしてやってもさ~」


「どこまでも卑怯な野郎だな……」


「あんたが温室育ちなんだよ。所詮は喧嘩は喧嘩だ、殺し合いを潜り抜けてきた冒険者に勝てるわけがない」


「論破するな!!」


「へいへい、じゃあ次で決めようや。俺も次の一撃であんたをぶった押すからよ」


「上等!!」


俺は構えを築かずに真っ直ぐ歩み寄って行く。


ただ歩く。


まるで散歩中のように、自然体で前に進んだ。


ジオンググが拳を高く振りかぶる。


「くたばれ、この野郎が!!」


「くたばるのは、テメーだよ」


ジオンググが最後のパンチを繰り出す。


何も考えていない全力のストレートパンチだった。


俺は首だけを曲げてパンチを躱す。


そして、更に一歩前に出ると、腕を曲げて肘の角でジオンググの顎先を横殴った。


エルボースマッシュだ。


カクンっとジオンググの頭部が揺れた。


うん、綺麗に肘が顎に入ったな。


顎先に命中したエルボーが頭部を揺らして脳が左右に激しく揺れただろう。


小刻みに揺れた脳は頭蓋骨の壁に激突して脳震盪を起こす。


そのダメージは想像以上にヘビーだ。


結果、脳震盪を引き起こすのだ。


それは並みの人間では耐えられない。


案の定だ。


ジオンググが白目を向いた。


だらしなく口を開けて涎を垂らすと、内股で膝から崩れた。


そして、前のめりに倒れる。


その姿は地面に顔を付けてお尻を突き上げた情けないポーズだった。


「勝ったな」


よし、これで俺の喧嘩祭りは終わりだぜ。


【おめでとうございます。レベル47に成りました!】


うほ、レベルアップしたぜ。


スゲ~久々のレベルアップだな。


まあ、遊びだけれど、たまには喧嘩も悪くなかったかな~。



【つづく】

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 大丈夫ですか??! 目が不自由するとほんとQOL下がりますよね。 私も数年前に顔面神経麻痺になって以来片目の瞼がうまく機能せず、視力落ちるし涙溜まるし色々不自由してます。 今回、文字も…
[一言] たいへんじゃないですか!おだいじに!
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