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第473話【死海エリアの戦利品】

いま俺は魔王城前キャンプに建てられた、新しい建物内の一室に居た。


一週間前に俺が発ったころから建築が始まっていたが、もうほぼほぼ完成しているようだ。


俺はボケ~っと室内を見回す。


殺風景な室内には、ベッドが一つと、テーブルセットが一組だけ在るだけだ。


窓を開ければ日が落ちた景色に、月光が湖に映り込んでいる。


魔王城の壊れた石橋前に建てられた三階建ての宿屋である。


まだ、建物は未完成だが、二階の部屋は何個か人が住んでいるようだ。


この建物は一階が酒場になって、二階が宿屋、三階が冒険者ギルドの本部になる予定らしい。


なんでも一階酒場と二階宿屋はハンスさんがオーナーとなってユキちゃんたちと経営するとのことだ。


三階は冒険者ギルドなのだが、どうやらギルガメッシュが何人かの冒険者を率いて経営すると聞いている。


ソドムタウンの冒険者ギルドはアマデウスに譲るらしい。


あの鷹の目の男との争いも、それで決着だとか……。


俺的には腑に落ちないが、まあギルガメッシュが決断したのならば仕方無い話しだ。


それに魔王城の町が軌道に乗れば、俺の拠点も完全にここになるのだ。


だから問題は無いのかも知れない。


その他にもクレーター山脈内では、幾つかの建物の建築作業が始まっていた。


クレーター山脈の出口にあるエルフの村と魔王城を繋ぐメインストリートは、ほとんどがワイズマン商会が買取り開通作業が急ピッチで進行しているらしい。


ワイズマンが雇った作業員が追加されて作業も賑わっているようだ。


おそらくいろいろな店が並ぶ商店街になるのだろう。


それに魔王城の北側にも道が作られ初めて、そこには大神殿が建築されるとか。


他にも東側には魔法使いギルドが支部となる塔を建てる計画が始まっている。


肝心の魔王城の復権なのだが、メインストリートが開通したらミケランジェロたちが石橋の復元作業に入るとか。


その材料となる岩もハドリアヌスがクレーター山脈を回って良い石切場になりそうな現場を見つけ出してくれたらしい。


アナルの癖に、地道に仕事をこなしているな。


生意気だが感心だぜ。


ちゃんと仕事をしてるんだな。


それにしても疲れた……。


俺はベッドに大の字に寝そべると天井を眺めた。


ガルガンチュワとの対決が済んで、ユキちゃんに殴られて、スカル姉さんにエルボードロップで気絶させられて、ロープで丸太に縛られながら股間をダガーで串刺しにされた……。


もう、あんまりだよ……。


酷い、酷すぎる。


スカル姉さんのグレーターヒールが有ったから股間は無事で済んだけど、もしも俺の股間に万が一なことでもあったら、呪いが解けた時に暴れられないじゃあないか。


それだけは免れて良かったよ。


もしも俺の股間の未来が潰えたら、何人もの乙女たちが涙を流すはめになったことだろうさ──。


まさに世界の終わりだよ。


アインシュタインには逃げられたけど、今度捕まえたら同じ目に合わせてやるからな。


マジで覚えてやがれよ、あの糞ホビットが!!


まあ、愚痴っててもしゃあないか~。


それにしても、あの糞女神も何を考えてやがるんだ。


レベルアップのボーナスで貰ったご褒美アイテムを何故に回収しやがったんだよ?


マジでワケワカメだわ。


レベル50になった際に再会したら猛抗議してやるぞ!!


マジで覚えてやがれ!!


ガイアが証言してくれたから良かったけれど、誰も俺の話を聞いてくれなかったから、更にチ◯コがダガーで串刺しにされるところだったんだぞ。


てか、神々のスコップは返しやがれってんだ。


もう詐欺だぞ。


マジで詐欺だ。


それにしても常識が通用しない糞女神だよな。


それにしてもだ……。


誰も気付かなかったぞ……。


いや、気付いたけど触れなかったのかな?


俺の頭に髪の毛が甦っていたことにさ……。


ヅラだってバレてて、皆が気を使って触れなかったのかな?


いや、あの状況で、それは無いだろう。


いや、あの状況だったからかな?


まあ、いいか……。


今度改めてゴメスを皆に紹介すればいいのかな。


さて、なんやかんやあったが、無事に死海エリアもクリアできたしレベルも上がった。


ガルガンチュワの巣穴からマジックアイテムもゲットできたから懐もホクホクだ。


さてさて、それではお楽しみの戦利品チェックだぜ。


まずは新スキルのチェックからかな。


今回は水中系のスキルが豊富に覚えたと思われますが、どうだろう。


「ステータス画面、カモーーン!」


おお、今回は四つか。


なかなかの数だな。


どれどれまず一つ目は~。


【水泳スキルマスタリー。泳ぐ速度が向上】


うんうん、これは予想通りのマスタークラスのスキルだな。


あんだけ水中に居たのに覚えなければ有り得ないスキルだろう。


もうこれでオリンピック選手並みの速さで泳げるんじゃね?


ではでは、次の二つ目は~。


【潜水スキル。潜れる深さと、息を止めていられる時間が向上】


また、スイミング系だな。


息を止めてる時間ってのは分かるが、潜れる深さって、水圧にも強くなったってことなのかな?


まあ、いいか、次だ次だ。


【パッシブ・スピアマスタリー。槍系武器の戦闘技術が向上】


うむ、ランサースキルのマスタリークラスだな。


トライデントもスピア扱いなのね。


さて、最後の四つ目の新スキルは何かな~。


【人体盛りスキル。人体を皿に見立てた盛り付けが上手くなる】


……………………。


………………。


…………。


えっ、舐めてる?


てか、盛られたのは俺だぞ。


盛られた俺が今度は盛り付けろって言うのか?


よ~し、分かったぞ。


今度誰かに盛り付けてやる。


絶対に盛り付けてやるからな!!


あれ、これって男体盛りでも女体盛りでもOKなのかな?


じゃあ、女体盛りでも……。


あたったったったっ!!!


心臓がっ!!!


ふぅ~……。


落ち着いた。


さて、今度はマジックアイテムですが──。


なんとガルガンチュワの塒でゲットしたマジックアイテムの数は三十個を越えていますので、その中から使えそうなマジックアイテムだけを紹介いたしますわん。


その他のマジックアイテムは、速攻で売ってきます。


では、一つ目は~。


【爆発のハープーンガン+3。命中率が向上。飛距離の向上。放った銛が何かに刺さると爆発する】


これ、凄くない!!


てか、これが今回ゲットした武器の中で一番凄いのかな。


たぶん半魚人たちの武器だったんだろうが、そんなの関係無い。


もう俺の物だぜ。


あっ、でも、銛が無いぞ。


今度町で買ってこよう。


あれ、この辺って海が無いからハープーンガンの銛も無いかな?


鍛冶屋で特別発注かな?


それだと使えるまでに時間が掛かりそうだぞ。


まあ、いいか。


次は~。


【マリンキラーロングソード+2。海の生物に対して攻撃力の大向上。命中率の向上】


これは海の生物限定だけど、大向上ってのがいいよね。


でも、これを持っててもガルガンチュワには勝てないのかな……。


まあ、持ってた冒険者も負けてるんだしな……。


次は、三つ目は~。


【異次元バックラー+2。防御力の向上。受け止めた飛び道具系の弾丸や矢を反射する。魔法の攻撃やマジックアイテムは反射できない】


これは面白そうだよね。


どんな感じで反射するのか実験してみたいな。


さて、最後はガルガンチュワが使ったと思われるマジックアイテムと同一品だ。


【スーパーヒールルビー+1。これを噛み砕くと、死にかけた状態からでも瞬時に復活できる】


これを二つゲットできた。


これで残機が二つ増えたような物だな。


仙豆だよ、仙豆。


スゲーラッキーじゃね?


だいぶ冒険に余裕が生まれるよね。


マジでこれはありがたいぜ。


あと、若干使えそうなのが在ったな。


【防水の燭台+1。この燭台で炊かれている蝋燭は水の中でも燃えている】


マジで使えそうなレベルは若干だよね。


マジックトーチも水の中で使えるのが分かってるから、やっぱり要らないかな?


んーー、まあ、いいか。


まあ、今回のマジックアイテムはこれだけです。


あとはプラス1で攻撃の向上やらの安物な武器や、同じくプラス1の防御力の向上やらの安物な防具のマジックアイテムばかりだった。


それでも売れば金になるから問題無いだろう。


いや、むしろ魔王城に武器屋を作って、そこで売れば人寄せになるんじゃあないのか?


この町に来ればマジックアイテムが格安で手に入るって噂が広まれば冒険者も集まって来るかも知れないぞ。


ここは売らずに少しの間は貯め込んで置こうかな。


うんうん、それが良さそうだ。


よし、それじゃあ今日はそろそろ寝ようかな。


明日は閉鎖ダンジョンに戻って最後の仕事だ。


テイアーの研究所を見付け出して、大人に戻る薬をゲットすれば、ミッション完了だぜ!


あっ………。


そう言えば、依頼を受けてから九日が過ぎてるよな……。


だとすると、明日までに薬を持ち帰らないと報酬が失くなるぞ。


んん~、困ったな……。


まあ、報酬が貰えなくってもいいかな。


代わりにテイアーの研究所から何か使えそうなマジックアイテムを何個かガメてしまえばさ。


よし、寝よう。


慌てな~い、慌てない、一休み、一休み。


そして俺は眠りに落ちた。



【つづく】

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― 新着の感想 ―
[一言] 水中強化!次使う時は来るのか。
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