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第41話【ハクスラスキルと魔法学】

まあ、スクロールの階級の話は、こんなものである。


そして、今回俺がゾディアックさんからおまけで貰った五枚のスクロールの話に入ろう。


まず、その前に、今回勉強してきた魔法の話から始めようかな。


それからのほうが良さそうだ。


この異世界の魔法の種類は多彩で、それらをすべて習得できる者は居ないらしい。


魔法の素質が有って魔法使いになれても、得意不得意がはっきり出るらしいのだ。


大概が、攻撃魔法を取得出来た者は回復魔法は取得できないと言った法則が有るらしい。


これを得たら、あれは得られる可能性が低いとのことだ。


二兎追うものは一兎をも得ず。なのかな?


ちょっと言葉の使い方が違うかな?


まあ、いいか。


それに、攻撃系魔法にも炎系が得意なら冷気系が苦手とかもあるらしい。


それにほとんどの魔法を習得すると、魔力に体を食われて貧相になるらしいのだ。


なので剣と魔法を両立するのは難しくなる。


魔法とは、結構複雑で面倒臭いわがままなルールに縛られている。


そこで今回は五種類別々のスクロールを貰ってきた。


俺がどんな魔法の種類を取得できるかが知りたい。


自分がどんな魔法が得意なのかで、冒険のやりかたや、パーティー編成も変わってくるだろう。


だから──。


そう、実験である。


スクロールが無駄になるかも知れないが、どうせおまけで貰って来た無料同然の代物だ。


必要経費か将来の投資だと思って使っていこうと考えている。


それに習得できなかったスクロールは燃えずに残るらしいから、また売れば良い。


そう考えれば無駄にもならない。


何より勿体ぶっても仕方がないしね。


そして、俺が現在覚えている魔法は三種類だ。


マジックアローは攻撃系(アタッカー)魔法。


ファイヤーシャードは精霊系(シャーマン)魔法。


それとマジックトーチは便利系(コンビニエンス)魔法だ。


三つとも別々の種類なのだ。


これを聞いてゾディアックさんも、少し驚いていた。


そもそも三種類の異なる魔法を習得できている俺は、プチレアらしい。


しかも三種類の魔法を習得して、魔力に体を食われていないのが、特に凄いらしいのだ。


異常だとも言っていた。


普通だと、精々二種類が限度だとか。


更にゾディアックさん曰く。


この異世界には、俺が覚えている攻撃系(アタッカー)魔法に精霊系(シャーマン)魔法と便利系(コンビニエンス)魔法のほかにも何種類か魔法が存在している。


それは───。


強化魔法を中心とした支援系(エンチャント)魔法。


主に神官が使う、傷を癒す回復系(ヒーラー)魔法。


大自然の環境を利用して唱えられる環境系(ドルイド)魔法。


商人や貴族が好んで扱う契約系(アグリー)魔法。


夜空の天文学から来る天文系(アストラ)魔法。


様々な占いをベースにした予言系(プロフェシー)魔法。


死を題材にアンデットを操る死霊系(ネクロマンサー)魔法。


モンスターを召喚して戦わせる 召喚系(サマナー)魔法。


悪魔召喚を目標とされる悪魔系(デビルサマナー)の闇魔法。


まだまだ細かく細分化すると種類は沢山あるらしい。


マイナーな魔法は、それこそ星の数だけ有るとか。


それに複合魔法も多々ある。


なので、そこまで語ると魔法使いの専門知識になるので、俺では難しい話だ。


一言で述べれば、無理。


説明は、無理。


兎に角、無理。


ゾディアックさんの説明を聞いてて寝るところだったもの。


しかも、アイツさ。自慢げにルンルン気分の講義感覚で説明をしてるんだぜ。


こっちが魔法学のド素人だと知ってて、完全に知識自慢をやってるんだもの。


たまんねーよなー。


もしかしたらアイツさ、教師向きなんじゃあねえの?


無料の講義だったから聞いてたけどさ、有料の講義だったら申し込み段階でお断りだよ。


まあ、それは置いといて──。


そして、俺が貰ってきたスクロール五枚は、これである。


【魔法セルフヒール。術者本人の傷を小回復させる。一日に術者のレベルの3おきに一回分の小回復】


これは自分にしか使えないヒーラー系魔法だな。


【魔法ディフェンスアーマー。防具強度向上。一日に術者のレベルの5おきに一回使える。効果時間は30分間】


これはパーティーメンバーにも掛けられるエンチャント系魔法だ。


【魔法スターライト。術者のみ夜目が効くようになるが、夜空に星が瞬いている時の野外のみでの効果。一日に術者のレベルの4おきに一回使える。効果時間はレベル数×(かける)2分間】


これはコンビニエンス系っぽい魔法だけど、おそらくアストラ系魔法だろう。


【魔法インセクトニュース。些細な一日の予言を、分かり難いが知らせてくれる。一日に一回のみ使える】


これはプロフェシー系魔法だね。多分。


【魔法サモンインプ。小悪魔インプを召喚して、簡単な指示を与えることができる。一日にレベルが10おきに一匹召喚できる。召喚時間は術者レベル×(かける)3分程度】


この五つを貰って来た。


最後のサモンインプは、あの魔女が使っていた魔法だろう。


って、ことは、あの魔女はレベル20以上のデビルサマナーってことになる。


インプを二匹も召喚してたもの。


レベル20以上か……。


かなり強いよね……。


やっぱり今だと勝てない相手だわ……。


てか、勝てる勝てない以前の問題だわ!


もう二度と出合いたくないよ!


だって怖いんだもの!


すげー、怖いもの!


完全にトラウマとなって、俺のピュアで無垢な心と魂と記憶に深い深い生傷をザックリパッカリもっちりと刻み込んでいるよ……。


絶対にさ……。


あ、もっちりは無いか。


さてさて、気を取り直して、早速だが一枚一枚スクロールを広げて試して見る。


よし、習得タイムだ。


各スクロールのタイトルを唱えて行く。


結果、スクロールはすべて燃え上がり灰になって消えた。


って、ことはだ──。


ステータス画面で確認したら、すべての魔法を習得できている。


パーフェクト!


全部覚えられました!


やっぱり俺ってば、天才なの!?


否、否、否!!


能力をプレゼントしてくれた糞女神があれだから、かなり疑っていたけど、完全に俺はチートスペック持ちなのか!?


流石はハクスラスキルだぜ!!



【つづく】

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