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第40話【ハクスラスキルとスクロール学】

俺は懐をほくほくさせながら魔法使いギルドを後にした。


現金12500Gと魔法の羊皮紙(スクロール)が五枚。


これがムーンスタッフと引き換えにゲットできた報酬である。


当初の予想よりも数倍の利益であった。


正直言って、これだけ有れば、しばらくは遊んで暮らせるんじゃあないかと、だらしない考えを巡らせる。


しかし、何して遊ぶ?


ゲーム?


そんなもの無い世界だ。


女遊び?


それは言わずと知れて、俺には無理だ。


スポーツ観戦?


あるんかい、そんなの?


酒を飲む?


未成年だったから飲んだことが無い。


小さなころに父が飲んでいたビールを少し飲ませて貰ったが、不味くて吹いてしまった想い出がある。


正直なところ酒は遠慮したい。


じゃあ、大金を得て何して遊ぶ?


することが無いな……。


怠惰に寝て過ごすも悪くないが、毎日は無理だ。


ゲーム本体が壊れて、正月休みの元旦から三が日を、ぼぉーっとテレビを見ながら過ごしたことがあるが、暇で暇で死にそうだった。


しかも、この異世界には娯楽が垂れ流しのテレビなんて物すら無い。


漫画やラノベも無いのだ。


兎に角、俺が居た世界と比べれば明らかに娯楽は少ないだろう。


だから怠惰に過ごす日々なんて、すぐに飽きるだろうさ。


ならば、何を楽しみに生きればいいのかな?


趣味もない、女も駄目、酒も飲めない、遊びもない……。


だとすると、やっぱり冒険なのかな?


娯楽と仕事を兼ねた最強の趣味が冒険?


そうか、忘れるところだった!


そもそも冒険を楽しむために異世界転生したのだ。


望んだ転生ではないが、バランスブレーカー的なハイスペックのスキルを貰って旅立てたのだ。


糞女神に要らないペナルティーも貰ったけれど……。


だから冒険をしないで何の意味があろうか。


ちょっと大金を稼いだからって有頂天になっている場合ではないな。


金を稼ぐはついでだ。


本当の目標は、冒険をして、どんどん強くなって、更に強い敵を倒す。


そして、どんどんマジックアイテムを拾って、掘って掘って掘りまくって、更にパワーアップする。


それが最大最高の無限な目的だ。


だからこそ俺が貰ったスキルは【ハクスラスキル】なのだ。


よし、頑張るぞ!


まずは当面の目標は、ガンガンと冒険をこなしていこう。


冒険者ギルドの掲示板の依頼書がすべて無くなるぐらいに冒険をやりまくってやる。


と、まあ、熱くなるのはこのぐらいにして、現実を整理して見て行こう。


まずはゾディアックさんから、お金と一緒に貰ったスクロールの話だ。


魔法の羊皮紙(スクロール)には、多く別けて五段階あることが分かった。


下から述べると下級スクロールからだ。


ゾディアックさんから教えて貰った話だと、下級スクロールは魔法使いの上級者なら誰でも作れる代物らしい。


寧ろ作れないと上級者魔法使いとは認めて貰えないらしいのだ。


大概が、そこまでこれなかった魔術師の多くが冒険者に下るパターンが多いらしい。


魔法使いに取っての冒険者とは、見習い魔法使いの修行の場か、落ちこぼれた魔法使いの成れの果てらしいのだ。


まあ、こんなわけで下級スクロールは生産されているから一枚500G~1000Gで、魔法使いギルドで売買されている。


もちろん冒険者が冒険で手に入れたが覚えられず魔法使いギルドに持ち込むパターンも多いらしいのだ。


誰しもがスクロールが有れば何でもかんでも魔法を覚えられるとは限らないらしい。


冒険者でも素質が無いために、一つも覚えられないことのほうが多いのだ。


そこで俺の場合はどうなのかと疑問が湧き上がったので、貰える五枚のスクロールは様々な種類に別けて貰って来た。


まあ、それは後に話すとして、まずはスクロールの説明を続けよう。


続いては中級スクロールだ。


このクラスになると、作れるのは上級魔法使いを超えた大魔法使いクラスぐらいらしい。


この大魔法使いってのが、百人の上級魔法使いが居たら一人か二人ぐらいしか居ないとか。


ちなみにゾディアックさんは、まだこのレベルには達していない。


それでも上級魔法使いではあるようだし、魔法使いギルドの幹部でもある。


結構エリートなのかな?


さて、中級スクロールになると冒険でもあまりでてこないらしいのだ。


一枚5000G~10000Gぐらいと十倍の値段になるらしい。


次は上級スクロールだ。


このクラスからはほとんど作れる魔法使いは居ないらしい。


だから入手方法も発掘のほうが、多いらしいのだ。


だからレアアイテムとされている。


値段も更に桁違いだ。


ほとんどがオークションでしか売買されないらしい。


もしも、これを冒険者が冒険中に見つけたら一財産をゲットしたことになる。


ソロの冒険者なら引退してもOKぐらいだとか。


そして、ここからはSレアだ。


それは超級スクロール。


ほぼほぼ人前に出てくることは無い一品らしい。


値段も簡単につけられないとか。


ゾディアックさんは見たこともないらしいのだ。


そして、最高位が伝説級スクロールだ。


もうこれは神か悪魔の奇跡的な魔法が記載されているのではと噂だけの代物らしい。


これが見つかったって話しは、物語や童話の中だけらしいのだ。


だから存在しているかも不明だとか。


SSSレアってのは、こんな感じなのかもしれない。


まあ、スクロールの階級の話は、こんなものである。



【つづく】

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