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第387話【フルプレートの欠点】

俺は自作ダンジョンを封じていた入り口の石扉の上に、本日装備していくつもりの防具を並べていた。


今日はレザーアーマーの修理依頼だけだと思い、ローブの下は防具らしい防具は装着していなかったからだ。


そして、異次元宝物庫から次々とマジックアイテムを出しては石扉の上に並べていく俺を見て、魔法使いの二人は唖然としていた。


「これ、全部本当にアスランさんの防具なの……?」


「ああ、そうだよ。全部今までの冒険でゲットしてきた戦利品だ。ヒュパティア婆さんの言い方なら、全部墓荒しで盗掘したアイテムだぞ」


「こりゃまた凄い数だわい……」


今日装備して行くつもりの装備はこれらである。


装備のパターンは2パターンだった。


どちらにしようか悩んでいるのだ。


パターンAはこれである。


【メタルヘルム+2。耐火向上。耐冷向上】


【プレートメイルの左腕+3。耐火向上。魔法耐久向上。体術向上】


【ディフェンスガントレット+2。防御率の向上。防御率の向上】


【プレートブーツ+2。走る速さが向上。防御率の向上】


【バックラー+1。防御率の向上】


いつもの装備とほとんど変わらないが、レザーアーマーがプラス3からプラス2の代用品へとランクダウンしている。


それとバックラーは前回ゲットした新しい物だ。


そして、もう一つのパターンBはこれである。


【レザーアーマー+2。強度向上。耐冷気向上】


【ブラックフルプレート+3。装備者のみ、この防具の重量軽減効果。防御率の向上。強度向上】


【ミラーシールド+2。防御率の向上。発射魔法系を三回反射する】


見ての通りこれがフルプレートの欠点だ。


重ね着できる箇所が一気に減る。


フルプレートは全身鎧のセットだ。


最初っから足も腕も頭もセットで一つのマジックアイテムなのだ。


だからガントレットやブーツだけを追加するなどできないのである。


せいぜいレザーアーマーやチェインメイルをフルプレートの下に重ね着するしかできない。


俺の場合はパーツごとにアイテムを複数もっているから、やはりパターンAだろうか。


全身甲冑のフルプレートメイルではなく、胸だけのプレートメイルが欲しいところだ。


今後の冒険で、それを狙いたい。


よし、今回はパターンAだな、やっぱりさ。


更に装飾品はこれである。


【シルバーネックレス+2。矢の直撃を一回だけ避ける。矢の直撃を一回だけ避ける】


【ゴールドネックレス+1。精神魔法耐性】


【メイジネックレス+2。魔法耐久向上。魔法の抵抗率向上】


【シルバーブレスレット+1。弓矢の命中率の向上】


【パワーブレスレット+1。腕力向上】


【スタミナブレスレット+1。体力の向上】


【ランゲージリング+2。下等種族の言語が話せるようになる。下等種族の文章が読めるようになる】


【ディフェンスリング+1。防御率の向上】


【レジストリング+1。魔法の抵抗率向上】


【スピードリング+1。体術の向上】


【プロテクションリング+1。インセクトからのダメージ軽減】


【ファイヤーボールリング+2。ファイヤーボールが一回使える。ファイヤーボールが一回使える】


【ドラゴンルビーの指輪+3。異次元宝物庫が使える。登録した持ち主のところに帰って来る。盗んだ相手を呪い殺す】


【幸運の指輪+1。運が小向上】


【耐火の御守り+1。耐火向上】


【耐冷の御守り+1。耐冷向上】


【魔法の耳飾り+1。体術向上】


ネックレスが三つ、腕輪が三つ、指輪が八個、御守りが二つ、耳飾りが一つ……。


ううーーん……。


手も指も首もパンパンだわ。


御守りをポケットに入れたらポケットもパンパンだぞ。


装飾品の装備数も、そろそろ限界が近いな……。


俺はスバルちゃんに手伝ってもらい装備を装着していく。


その光景を見ながらヒュパティア婆さんが話し掛けてきた。


「あんた、その装備からして、相当冒険をしているね。しかもソロ専門なんじゃろ?」


「ああ、今までパーティーらしいパーティーは、ほとんど組んだことが無い」


「なるほどの。見つけたお宝は独り占めかい。豪気な丸取りじゃわいのぉ」


「いたたた、スバルちゃん肉を挟んでる!」


「ああ、アスランさん、ごめんなさい!!」


革鎧のベルトを背後から絞めていたスバルちゃんが謝った。


「今度からちゃんと防具を装着してあげられるように練習しておきますね!!」


「えっ、練習……?」


どう言うこと?


意味が分からんな?


それって、毎日新婚夫婦の夫が出社前に新妻さんにネクタイを絞めてもらうような感じかな?


まっさか~~。


そんなの無い無い、有るわけ無いよ。


「よし、あとはダガーを腰のベルトに装着してっと」


今現在ダガーもマジックアイテムで九本有るが、今回は同一のこの三本をベルトに装着する。


【ダガー+2。攻撃力の向上。魔法の小毒効果】×三本。


更に左右の腰に黄金剣の大小をぶら下げた。


【ゴールドロングソード+3。剣術スキルの向上。攻撃力向上。魔法耐久向上】


【ゴールドショートソード+3。攻撃力向上。命中率向上。魔法サンダーエンチャントウェポンが掛けられる武器。武器に雷属性の効果を与える。効果時間は5分。回数は一日一回。発動条件は魔法名を口に出す】


「よし、馴染んだぞ」


俺はパンっと腰を叩いて気合いを入れる。


「ほほう。なかなかの剣じゃの。しかも黄金か──。こりゃまた豪気なり」


「ヒュパティア婆さん、俺の実力を理解できたかい?」


「お主こそが宝の山じゃな」


「よろっと、そんなレベルだぜ」


俺は異次元宝物庫から虫除けのランタンを出すとキャッチファイアーの魔法で火を灯す。


「じゃあ、行ってくるぜ!」


「行ってらっしゃい、アスランさん!!」


俺はスバルちゃんの声援に押されながらダンジョンの階段を下りて行った。


しばらく下ると長い廊下をひたすら進む。


なんか初めてのころを思い出すな。


このまま何も無く出口に出たらどうしよう……。


「あれ……?」


俺は唐突に足を止めた。


右の壁に違和感が有りだ。


煉瓦作りの壁だが何処からか空気が吹き出している。


俺は煉瓦の壁を探った。


発見だ。


「ここか?」


煉瓦の隙間に小さな穴がある。


そこから空気が吹き出していた。


「これって、向こうに通路が有るのかな?」


おそらく隠し扉だな。


俺は壁を丁寧に調べた。


すると引き出せそうな煉瓦を一つ見つける。


煉瓦が一ブロックぐらついていたのだ。


それを引っこ抜くと、中にボタンが有った。


「これだな……。よし、トラップは無いぞ。押してみよう!」


ポチっとな──。


ゴゴゴゴっと音を鳴らして隠し扉が開いた。


「自動ドアだよ、すげー」


奥に闇が広がる。


「部屋か……?」


まずは聞き耳を立てる。


音は無し。


続いて明かり無しで覗き込む。


夜目スキルだけでは何も見えない。


しかし、気配も霊気も殺気も感じられない。


最後に俺はランタンの明かりで室内を照らした。


そんなに広くない部屋だ。


先に通路への出入り口が有る。


その他に目立った物は、壁に寄りかかりながら朽ちた死体が一つ。


牢獄のような殺風景な部屋に白骨化死体か……。


哀れなり。


一方通行の転送魔法に引っ掛かった人だろう?


白骨化死体はボロボロだが革鎧に革ヘルムを装備している。


武器はショートソードにショートシールドだ。


どれもマジックアイテムじゃあ無い。


まあ、おそらく冒険者の死体だな。


「んん、壁に何か掘られているぞ。文字だ。ダイニングメッセージかな?」


なんて書いてあるのかな、読んでみよう。


【アマゾネスたちに気を付けろ】


ア、マ、ゾ、ネ、スっ!!


アマゾネスって、アマゾネスだよね!?


ジャングルに女だけの集落を築いて暮らしているエロエロのビキニアーマーを身につけた美人女戦士だよね!?


ムッチムチの女戦士だよね!?


しかもアマゾネスたちって複数系で書いてありますよ!!


たくさん居るのか!?


たくさん居るよね!?


ヒーハー!!


ここは楽園か!?


地下ダンジョンに見せかけた楽園なのがぁだだたぁだだただぁだたただだ!!!!


心臓がーーー!!!


俺の煩悩がオーバーヒートだゼェぇエエエエえエエっえてーー!!!



【つづく】

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[一言] 天敵現わる?!
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