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第306話【ゴブリン大軍団】

俺は大洞窟の中でゴブリンの大軍団に囲まれていた。


周囲10メートルほど距離を置いてゴブリンたちが餓鬼のような形相をしながら俺を囲んでいやがった。


様々な武器防具を身に付け、ダイナウルフに騎乗しているウルフライダーも居やがる。


更にゴブリンたちの後方には背の高いホブゴブリンたちも居やがった。


ゴブリンたちは数で圧倒しているせいか、10メートルの距離を保ちながら余裕を見せて俺を睨んでいた。


誰から飛び掛かろうか悩んでいるのかな?


俺はエクスフロイダー・プロミスが持っていたスタッフを異次元宝物庫から取り出すと、エンチャント魔法を自分に施して行く。


「ジャイアントストレングス、ディフェンスアーマー、フォーカスアイ!」


【エクスフロージョンスタッフ+2。爆発系魔法の範囲向上。爆発系魔法の破壊力向上】


さぁ~て、最初はスタッフですよ。


俺は高くスタッフを翳したあとに魔法を連呼した。


「ファイアーボール、ファイアーボール、ファイアーボール、ファイアーボール、ファイアーボール!!」


俺は火球魔法を周囲全方向にばらまいた。


周りのゴブリンたちの群れの中で激しい爆発が起きる。


洞窟内が崩れそうなぐらいグラグラと揺れた。


もう、大盤振舞だぜ!!


これでかなりの数のゴブリンを倒せただろう。


俺が今現在のレベルで撃てるファイアーボールの数だけ一度にすべて連射したのだ。


【魔法ファイアーボール。攻撃力は中。爆炎属性。射程距離10メートルの飛翔体魔法。回数は本人レベルが8おきに、一回ずつ撃てる。発動条件は魔法名を口に出す】


【ファイヤーボールリング+2。ファイヤーボールが一回使える。ファイヤーボールが一回使える】


周囲に爆煙と混乱が立ち込めている間に俺は、異次元宝物庫にエクスフロージョンスタッフ+2を仕舞うと、代わりに斬馬刀を取り出した。


【ポールウェポン+2。装備者のみ、この長武器の重量軽減効果。攻撃力向上】


俺は斬馬刀をバトントワラーのようにクルクルと可憐に廻すと脇の下に挟んで止めた。


「うし、行きます!!」


俺は斬馬刀を振り回しながらファイアーボールの攻撃で混乱しているゴブリンの群れの中に飛び込んで行った。


「ぜあ! ぜあっ! とりゃ!!」


斬って、突いて、薙ぎ払う。


俺はゴブリンのド真ん中を突き進んだ。


まずはポジション確保だ。


いくらゴブリンが雑魚でも大群だ。


出来れば細い道に入りたい。


細い道が有れば、一対一で戦える。


何百何千匹ゴブリンが居ようとも怖くない。


でも、この洞窟は広いな。


いくら斬り進んでもゴブリンの波は止まらない。


通路どころか壁すら見えない。


通路が無ければ、せめて壁だ。


このまま大群に囲まれて戦うのは、なんやかんや言っても不利だ。


全方向から攻撃されるのは不味い。


でも、壁を背に出来れば攻撃をされる方向は半減する。


360度全方位から攻撃されるのと、壁を背にして180度からしか攻められないのは大違いだ。


まあ、壁を背にしたら退路は無いけれどね。


「うら、うらうら、うららっ!!」


兎に角俺はゴブリンたちと戦いながら突き進んだ。


進めばいずれ端に辿り着く。


そう、壁に当たる。


まずは、それが目標だな。


「ゴブゴブっ!!」


ゴブリンがショートソードを振りかぶりながら飛び掛かって来るのを俺は斬馬刀で払い飛ばす。


「ワォーーン!!」


今度はダイナウルフに乗ったゴブリンライダーか飛び掛かって来た。


「なんの!!」


しかし俺は斬馬刀で狼と股がるゴブリンを一緒に斬り裂いた。


「ホブホブっ!!」


今度はホブゴブリンが大金槌を振り下ろして来る。


俺はヒラリと横に大金槌を躱すとホブゴブリンの首を跳ねた。


「マジックシャーード!!」


うわ、ゴブリンシャーマンが火の魔法を撃って来たぞ。


やっぱりシャーマンも居るのね。


俺は腰のベルトからノーマルのダガーを引き抜くとゴブリンシャーマンに投擲した。


「ギャフン!!」


よし!


俺の投擲したダガーがゴブリンシャーマンの眉間を貫く。


こりゃあゴブリンのバリエーションがすべて揃ってそうだわ。


たぶん群れの奥にチャンピオンやゴブリンキングも居るんじゃあねえかな?


兎に角だ!


無双開始だ!!


俺は斬馬刀の一振でゴブリン三匹の首を同時に跳ねて、ホブゴブリンの頭をカチ割り、ゴブリンライダーをダイナウルフごと串刺しにして行く。


進行を妨げるゴブリンは次々と切り捨て、背後から飛び掛かるヤツは後ろ蹴りで撃ち落とした。


うひゃーーー!!


無双楽しい~~~!!


ヒャッハーー!!


この異世界に来て、無双らしい無双って初めてかもしれないな!?


いや、初めてだよね!!


こりゃあ~、癖になるよ!!


ラノベばかり読んでる厨房が憧れるのも分からんでもないわ~。


だって俺も昔は無双に憧れた時期が有りましたもの~。


よ~~し、ザクザク行くぞ!!


…………………。


……………。


……。


あれから三時間が経過しました。


いや~、飽きたわ……。


もう無双は飽きたわ……。


流石に三時間もひたすら雑魚ばかり倒しているなんて拷問だわ……。


ダメージを受けないからいいけれどさ、それでも三時間もぶっ通しで続けるもんじゃあないわ……。


スタミナは続くけれど、集中力が続かないぞ。


雑魚相手の無双は一日一時間までだわ……。


てか、なんでこいつらゴブリンどもは、次から次にと湧いて出るのかな?


なんで尽きないの?


何匹居るのさ?


もう千匹は殺しているよ……。


なんで尽きないのさ……。


もう飽きた、帰りたい……。


でも、ゴブリンの波は止まらない。


人海戦術ならぬゴブ海戦術の高波は止まらないのだ。


次から次へと押し寄せては砕けて死んで行くだけだ。


壁を到達した俺の前にはゴブリンのしたいが2メートルの山になっている。


俺は死体の山が高くなると、上からゴブリンが飛び掛かって来る踏み台にするので、少しずつ壁沿いを右に動いてポジションを変えて戦っていた。


俺が戦っていたかつての場所にはゴブリンの死体が山となっている。


そんなゴブリン山をいくつも山脈のように築いているのにゴブリンたちの攻撃は収まらないのだ。


なにさ!?


なんなのさ!?


この洞窟には、マジで何匹のゴブリンが住んでいるのさ!


てか、もうこれは、ゴブリンを殺しても殺しても、殺した分だけ土から湧いて出て来ているよね!?


おそらく無限だよね!?


そうか……。


無限か……。


これは、無限湧きか!?


これは、無限湧きするポイントを叩かないと駄目なパターンですか!?


よく有るよね、クソゲーでさ!!


気付いたら無限湧きするから、コントローラーに重りを乗せて、寝ちゃうとか、学校に行っちゃうとかさ。


そんな感じで無限に殺して無限に経験値稼げるってヤツがさ。


それでレベルがマックスになって、ラスボスを簡単に倒しちゃうパターンがさ!


もしかして、ここはそれか!?


それなのか!?


もしも俺が眠りながら戦えるチートスキルを持ってたら、この異世界転生の冒険は終わってたぞ!!


寝ている間にレベルマックスにして終わっちゃうよ!!




【つづく】

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