表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/371

元官僚の後始末と対策 光の金銭感覚?

光と校長に、相当の侮辱と恫喝を繰り返した元官僚の高村は、ソフィーが連れてきた警察官により連行されていった。


ソフィーは難しい顔。

「とにかく余罪も多そうだし、彼との内通者とか黒幕も探らなければならない」

校長も、同じく難しい顔。

「国内最高学府を卒業し、難関の国家試験に合格したことを鼻にかけ、普通の国民をゴミとしか考えていない」

「しかし、それにしても、この学園にまで押しかけてくるとは」

ただ、光はそれほど難しい顔ではない。

「一人でも、そういう輩を捕まえれば、後は芋づる式に調べ上げればいい」

「あの程度の頭デッカチだけの人間、大した犯行能力はないし、単独犯は難しい、かならず協力者がいるはず」


ソフィーは、そんな光の顔をじっと見た。

「ねえ、光君、実はおびき寄せたの?」

すると校長も、含み笑い。

「ああ、そうかもしれないね、そうでなければ、なかなか学園にも入ってこれない、何しろこの学園の結界は強化してある」

光も、少し笑った。

「はい、彼にも内通者がいるだろうし、僕にも内通者がいるんです」

「つまり彼の官僚の現役時代から、見張っている人が教えてくれたんです」

その光の言葉は、そこで止まった。

ソフィーは光の予想外の言葉にムッとしているけれど、その光は何か動きたそうな雰囲気になっている。


ソフィーが光に声をかけた。

「ねえ、光君、もしかして練習?」

光も素直に答える。

「うん、第九の初見練習で、通しでやりたいから」

今までの深刻な分析とは、全く異なった話題へと変化した。

校長は、そこでニッコリ。

「じゃあ、私も聞きに行くとしよう」


光は、その校長の言葉で、スンナリと立ち上がる。


ただ、ソフィーが少し不満顔。

ついつい、光に文句を言う。

「全く、ひどいなあ、私はこれから政府に戻って、あの高村の尋問とか調査とかするんだよ、それと光君の内通者もしっかり私にも教えなさい、実は秘密主義?」

「それと、そんな状態なのに光君が若い女の子に囲まれて第九の練習?」

「ほんと、腹が立つ、光君の言動は許しがたい・・・」

ブツブツ言い続けるソフィーであるけれど、光の次の言葉が、またひどかった。


光は、いつものハンナリ顔に戻っている。

「だって、ソフィーはさ、仕事でしょ?国からお給料をもらっているっていうかさ、国民の税金で生活しているんでしょ?」

「僕の内通者ぐらいは、見当がつかないの?言わないとわからない?」

「観音力のソフィーなんだよ?何を怠けているの?」

「それに、僕はここの学園の指揮者だしさ、指揮者が練習するのも当たり前なの」

「それに若い女の子って言ったってさ、高校生だもの、ソフィーより若いのは当たり前に決まっているじゃない」


この光の言葉には、校長も頭を抱えた。

「まず、間違ったことは言っていないけれど」

「デリカシーが、全くない」

「まだまだ、光君のお嫁さん候補をあきらめていないソフィーに対して、無慈悲な言葉を連発している」


ソフィーは、ますますムッとした顔。

「そういうこと言うんだったら、家に帰ってから、たっぷりお説教する」

「いい?しょうがないから、オーケストラの指揮だけは認めてあげる」

「でもね、光君だって、首相から任命された特別調査官なの、だから手当も振り込まれている、実は特別公務員なんだよ」

「それをわかって、そういうことを言うの?」

「だいたい、口座残高とか取引って見たことないの?」

つまり、ソフィーは光だって、国から手当てをもらっている、それを自覚しなさいと言う。


すると光は、またしてもソフィーに反論。

「えーーー?そんな説明覚えてないし、そんな口座とか、作った時は銀行に行ったけれど見ることなんてないって、銀行のカードも通帳も金庫にしまいっぱなし」「それでも、お父さんが僕の口座に振り込んでくるから、生活費をカードで出金しているだけ、そもそも僕の口座は子供のころに作った郵便貯金だよ」


校長は、プッと笑い出し、ソフィーはあきらめ顔になっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ