春麗の中華弁当と巫女たち、校長室への呼び出し
さて、午前中の授業は全て終了、お昼の時間となった。
そして今日のお昼は、光もそれぞれの巫女も同じ、春麗が考えた中華弁当である。
メニューとしては、
「酢豚、麻婆茄子、豚の角煮、海老のチリソース、貝柱の小さな焼売が2個、ザーサイ、五目炒飯」
と、温かい烏龍茶。
光は
「すっごいなあ、全部いい味がしているし」
由紀も、春麗を見ながら
「確かに手際が良かった、キビキビとしていて、そして何より美味しい」
キャサリンも美味しそう
「確かに食が進みます」
サラは感心した。
「負けてはいられないと思うけれど、美味しいなあ」
そんな声を受けた春麗は、うれしそう。
「これで、また夕食も頑張れるかなあ」
教室が違う華奈は
「マジで、勉強になった、春麗は私にやさしいし、これから先生と呼ぼう」
と、久々に他人の実力を認めている。
保健室で食べている春奈は
「味の染み込ませ方が、別格だなあ、春麗はただ明るくて元気ってわけじゃないなあ、細かな配慮もある」
と、春麗の深い実力を理解した。
大学のキャンパスで食べている由香利も、目を丸くした。
「ふう・・・すっごい・・・昨日のキャサリンもすごかったけれど、このままだとルシェールに迫る勢いだなあ、・・・って私も何かしないと」
と、焦りだした。
また違うキャンパスで食べているルシェールは、もっと焦った。
「美味い・・・って、この中華・・・キャサリンに加えて春麗まで?」
「ほんと、おっとりルシェールじゃ、いつかは危険、横取りされる」
「マジで、好感度アップしないとなあ」
腕を組んで、レシピを考え始めている。
さて、ソフィーは、公安庁のオフィス。
「まあ、キャサリンとか春麗なら、これくらいはやる」
「もの珍しいカリフォルニア料理と、中華弁当は確かに、光君の興味をひく」
「でも、光君が一番食欲を出すのは、私が知る限り、漁師鍋」
「そこの線で、もうひとつ何かを仕掛けるかなあ」
春麗の中華弁当だけで、様々反応がある巫女たちである。
さて、そんなお昼時間も終わり、また、午後の授業も何事もなく、終了した。
光が鞄を手に、「さて、音楽室にでも」と立ち上がる。
そして、その光を警護するように、由紀、キャサリン、サラ、春麗も立ち上がると、担任から光に声がかかった。
担任
「光君、校長がお呼びだよ」
「誰かお客様が来ているみたい」
光は、担任に尋ねた。
「呼ばれているのは、僕だけ?それとも?」
担任は
「ああ、光君だけだよ、このまま向かってくれないかな」
と、「光だけ」との返事。
光は「わかりました、すぐに」
と頷き、歩き出した。
取り残された由紀、キャサリン、サラ、春麗は顔を見合わせた。
そして、全員が、少し厳し目の顔になっている。