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明日は中華メニュー?天井から降りてきた戦士

光と第九演奏に参加する巫女たちの楽譜点検とCD試聴も無事に終了し、その日の夜は、そのまま、それぞれの部屋に戻った。


ただ、帰り際に、春麗が他の巫女たちに話をした。

「明日は、中華メニューにします」

「朝は、中華粥、夜も中華にします」

それについては、他の巫女たちも、すぐに納得。


特に大人巫女の春奈から提案も出た。

「どうせならみんなで協力して、お弁当も全員で中華にしたら?」

そしてソフィーも

「うん、それぞれで、つくらないほうが時間が節約できる」

ルシェールが春麗に尋ねた。

「ところで朝粥はわかるけれど、お弁当の素材は?」

春麗は、ニッコリ。

「大丈夫です、中国大使館から実は香辛料とかも含めて運んでもらってありまして、それと冷蔵庫にまだ使えるものがありますので」

すると華奈が春麗に真面目顔。

「ねえ、私も手伝います!教えて!」

春麗は、またニッコリ。

「そうだね、華奈ちゃんの動き方も大好き、一緒に作ろうね」

これで春麗は、華奈がお気に入りの様子。

他の巫女、由香利も由紀も、特に意見はない。

それよりも、中華メニューに興味津々の感じになっている。


さて、光は、そんな話には、ほとんど興味がない。

自分の部屋に直行、そのままベッドに横たわってしまった。

そして、最初のうちは、楽譜を見る。


「うーん・・・もう少し他の指揮者とオーケストラの演奏を聞いてみるかなあ」

「テンポをやはりゆったり気味にはじめたほうが、第九はいいかなあ」

「あまり歯切れがいい演奏だと、音楽が薄くなる感じがする」

「深みがあって、パワフルな演奏がいいな」

など、いろいろ考えるけれど、ベッドに横たわると、すぐに眠りにつくのが光らしいところ。

本当にアッサリと眠りに落ちてしまった。


その光の枕元に、いつもの異形が二体立った。

一体は、まず阿修羅、もう一体は地蔵である。


地蔵が阿修羅に話しかけた。

「今回の築地騒動は、あくまでも新しい巫女たちの戦闘能力の確認でしたね」

阿修羅は、ふっと微笑んで頷く。

「ああ、暗殺教団がたまたま来ていたから、その始末を含めて」

地蔵も、その阿修羅の答えに頷いた。

「ただ、来ていた暗殺教団も実は偵察メンバーですね、世界各地でテロを起こすための場所探し、実は戦闘力はそれほどではない」

阿修羅は、また笑った。

「ただ、それでも、実際に彼らが動けば警察レベルでは無被害にするなどの対応が困難、それで彼らは築地に脅しをかけて金品を受け取るのが目的だったのだろう」

地蔵も笑った。

「それが阿修羅様と、あの戦闘系巫女の予定外の活躍で、目的も計画も、全て無に帰してしまったと」

阿修羅はまた笑った。

「実は災難に巻き込まれたのは暗殺教団だったのかもしれない、逆に考えれば」


阿修羅と地蔵が、そんな話をしていると、またもう一体の異形が薄く天井に浮かんでいる。


阿修羅が

「ほお・・・」

と、また笑うと

地蔵も、

「これはこれは・・・」

と手を合わせる。


すると、その天井の新しく現れた異形から、

「阿修羅様、地蔵様、お久しぶりにございます」

リンと引き締まった声が聞こえてきた。


阿修羅と地蔵が頷くと同時に、異形は光の枕元に立った。

輝く銀の甲冑に身を包み、長剣を携えた一人の戦士の姿をしている。

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