カリフォルニア料理と光たち
さて、少々の騒ぎはあったものの、キャサリンがメインの調理担当となったカリフォルニア料理がテーブルに並べられた。
「ホワイトアスパラガスとアボガド、スモークサーモンのサラダ」
は、大皿に盛り付けられて、キャサリンが光の皿に取り分ける。
光も、素直に口に運ぶ。
「うん、食べやすい、アスパラガスもアボガドも、すんなり口に入る」
「スモークサーモンも、いいお味」
その光の顔を見て、キャサリンはホッとした顔。
また、他の巫女たちも、それぞれ自分の皿に取り、味わっている。
春奈
「これはシンプルで食べやすいし、アボガドでふっくらとして、スモークサーモンで引き締める感じ」
由香利は満足そうな顔。
「さすが、キャサリンだね、選び方もいい」
由紀も、感心している。
「春奈さんの言う通り、確かにシンプルだけど、安心できる味」
ソフィーは、少し食べ、フンフンとうなずいてから、
「マグロと温野菜の盛り合わせ」を自分の皿に。
「そうかあ、カリフォルニアだから、お魚も食べるんだ、いいね、温野菜もに日本だとあまり付け合せにしないけれど」
華奈は、とにかく食欲が進む。
「サラダも美味しい、マグロも美味しい、今は食べる専門にする」
「仔羊肉のラケ アリッサとクミンのクスクス添え」は、銘々皿にてとなる。
これは、光も美味しくてたまらないらしい。
「うん、お肉も大きくて柔らかいし、付け焼きの味がよく染み込んでいるし、クスクスも絶妙の味、軽い味で食べ飽きない」
とにかくバクバクと食べている。
そしてそれを見たルシェールが、少し気づいたようだ。
「そうかあ、光君って案外肉料理も好きなんだよね」
「奈良の教会でも、お肉のほうが食べたね」
すると光がルシェールに頷いて
「そうだね、お肉は好きだよ、ルシェールにも、春奈さんにも、たくさん肉料理を作ってもらってうれしかった」
由紀と由香利が、そこで思い出したことがあるようだ。
由紀
「うーん・・・夏までは、サンドイッチばかりだったよね、それもフルーツクリームサンドばかり、実はお肉好きだったんだ」
由香利
「うん、今は少しは肉がついてきたけれど、夏頃なんてガリガリ、華奢もいいところだった」
ソフィーが光の顔を見た。
「まあ、それは一人で住んでいたからだよ、もともとナマケモノだった光君が、肉を買ってきて焼いたり煮たりって、まずありえない」
ずっと黙っていたサラは
「そうですね、本当に体力が心配になる時があります」
「体力は気力の基本にもなるので」
春麗も、いろいろ考えている。
「結局、光君の食事の根本は、滋養強壮がメインかな、それも食欲をそそるような、素材と味付け」
と、そこまで言って、華奈の顔を見る。
華奈も、春麗の視線に感づいたようだ。
「滋養強壮か・・・」
そして、華奈は何故か、春麗に頭を下げている。
「カマンベールチーズ、チェダーチーズなどチーズの盛り合わせ」
「チキンコンソメ スターアニス風味」
も好評だった。
光を含めて、全員が食べきってしまった。
食事が終わった時点で、光とキャサリンがローズヒップ茶を淹れていると、由香利がキッチンに入ってきた。
由香利は、少し申し訳なさそうな顔をしている。