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キャサリン、サラ、春麗の正体

光の合掌、そして阿修羅の出現とともに、応接室内の雰囲気が一変した。

何より、校長をはじめとして、全ての巫女は姿勢を正している。


阿修羅は、その様子を見て、話をはじめた。

「まずはキャサリン、アメリカに移住した、かのアーサー王の末裔にして、エクスカリバーの聖剣の霊力を秘めた巫女」

阿修羅がキャサリンに顔を向けると同時に、キャサリンの制服は、西洋風の銀の甲冑に変化した。

そして腰には、光り輝くおそらく「エクスカリバーの聖剣」を携えている。


次に阿修羅は、サラに顔を向けた。

「次にサラ、オリュンポス十二神の一人、アルテミスの巫女にして、アルテミスの矢を武器とする」

「また、前回一緒に戦ったアポロの双子の姉でもある」

阿修羅のその言葉と同時に、サラの制服は、ギリシャ風の短衣に変化。

背中には弓筒、右手には光り輝く弓を手にしている。


最後に、阿修羅は春麗に顔を向けた。

「春麗は、古代中国、九天玄女の巫女」

「と言っても、今の日本人には馴染みが薄いだろうから、説明をしておく」

「唐代から宋代にかけて信仰された戦いの女神だ」

「黄帝の師でもあり、聖母元君の弟子ともいわれ、黄帝が牛身の怪物蚩尤との戦いで苦戦しているとき、天より顕れ靈符と兵法を授けたことがある」

阿修羅の説明とともに、春麗は古代中国独特のきらびやかな衣装に変化、そしてその手には、これもまたきらびやかに装飾された剣を手にしている。


阿修羅から、そんな説明を受けた春奈と由紀、華奈は、まさに震えている。

ただ、ソフィーだけが、アルテミスを見ながら、時々首を傾げている状態。


そんな春奈、華奈、ソフィーに対して、キャサリンが声をかけた。

「はい、震えることではありませんよ、春奈さんは癒しの巫女、実は全てを修復できるお方」

「それに由紀様も、八方除けの神、寒川大神の浄化の巫女、ものすごい霊力です」

キャサリンの声には、全く真実味がある。

春奈と由紀は、そんなことを言われて、ますますビックリ状態になっている。

また、春奈はキャサリンの言葉と同時に、その身体全体からオレンジ色の癒しの光を発し始めている。

由紀も、その身体全体から、夥しい浄化の乳白色の光が漏れ出している。


春麗が華奈に声をかけた。

「ねえ、華奈ちゃんって、天照様の巫女でしょ?すっごく可愛らしい、お友達になって」

とにかく華奈を見て、うれしそうな様子。

華奈は、顔が真っ赤、今にも腰を抜かしそうな状態になった。

ただ、いつもと違うのは、華奈の体全体が光輪に包まれてしまっている状態。


次にアルテミスがソフィーに声をかけた。

「あら、観音様、お久しぶりですね、あちらの世界では大天使ガブリエルなんて言わせていたけれど」

と言って、クスッと笑う。

ソフィーは、その言葉に苦笑、いきなり、その背中に白い羽を生やしている。


阿修羅は、そんな巫女たちの様子を見て、クスッと笑う。

そして、次の言葉を発した。

「それでね、そろそろ光君に戻る」

途端に、他の巫女たちも、全員が元の状態に戻った。


ただ、ここで、問題が発生した。

光は、テーブルに顔を突っ伏せて眠ってしまった。


春奈、由紀、華奈、ソフィーは本当に恥ずかしかった。

春奈「やはり、ひ弱は去年の夏から成長がない」

由紀「思いっきりポカンしたくなった」

華奈「どうして、どこでも居眠りするのかなあ、恥ずかしいから。まぶたに目の絵を書いちゃおうかなあ」

ただ、ソフィーだけは、まず目の前の外国人巫女に頭を下げて、わびた。

「ごめんね、これが光君の実状なの、ちょっと力を使うと寝ちゃうの」


しかし、そのソフィーの謝罪を聞いたキャサリン、サラ、春麗の反応は、全く予想外のものであった。

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