巫女たちの光ゲットバトル、勝者はやはり?
特に巫女たちにとって様々な思惑を持ちながら、光たちの一行は築地場外市場に戻った。
そして今夜の夕食のメイン料理係となるキャサリンがテキパキと買い物を進めていく。
さすがに何でも揃う築地場外市場、マグロとアボガド、野菜、スモークサーモン、チーズ、肉は仔羊など、カリフォルニアスタイルの料理材料は、あっと言う間に揃ってしまった。
そこでキャサリンは、光にさわやかな笑顔。
「光君、揃いましたので、帰りましょう」
光も、マンザラではない様子。
「そうかあ、たまには珍しい料理もいいね、楽しみ」
そのまま、スンナリとキャサリンとソフィーの車に乗り込んでいく。
一歩出遅れたサラは
「うーん・・・次は地中海料理で挽回する」
「キャサリンのさわやかさもいいけれど、私はパワーで迫る」
と、次の対策を練る。
春麗も悔しそう。
「うん、ほっぺたキスでは甘いか、今度光君の唇ゲットだ」
「それに料理なら、中華が一番、負けはしないさ」
と言いながらも現状では何もできない様子。
また、車を運転するソフィーも「これじゃあ、絶対、入り込めない、私も年増グループかなあ」と落胆、そんな状態で、一行は光の家に戻った。
一行が家に戻ると、まず華奈が真っ赤な顔で玄関に飛び出してきた。
「光さん!遅かったじゃない!」
「いったい、何をやっていたの!」
「もうね、華奈はすっごい心配してさ!」
いつもの、大声三連発になる。
ただ、光はニコニコしている。
そして華奈に
「今日はキャサリンが、珍しいカリフォルニアスタイルの料理を作ってくれるんだって、すっごい楽しみ」
「華奈ちゃんも、しっかり食べていってね」
と、声をかける。
春奈も出てきた。
華奈の大声三連発に少し呆れていたけれど、やはり大人。
「とりあえず、不貞な輩の退治、ご苦労さま」
「光君は戦闘には参加しないで、リーダー格を幻術系で潰したんだね?」
光がうなずくと、春奈はサッと光の前に立つ。
そして、その手を額にあて
「少々微熱かなあ、うーん・・・今は回復途中かな、かなりな幻術使ったんだ」
と、その手を下げて光の手を握ろうするけれど、やはり光を狙う巫女は多い。
すぐに邪魔が入る。
まずは由紀
「だめです!そういう保健室の先生の立場を利用しすぎです、ドサクサにまぎれて!」
由香利も出てきた。
「そんなことより、築地の状況の説明も必要では?」
最後に出てきたルシェールはかなり心配そうな顔。
「光君、まずは休まないと、幻術系の呪術は実は戦闘以上に、疲れるはず」
そして、そのまま、光の腕をグイッと引き寄せ、腕を組んでしまった。
それを見たキャサリン
「うーん・・・やはりルシェールは強い、愛の妙薬の実績はダテじゃないなあ」
サラも、一歩引いた。
「光君の身体の中には、ルシェールに引き寄せられる内蔵磁石があるのでは、手強い」
春麗は、涙顔。
「甘かった、あのまま唇をゲットするべきだった」
・・・など、巫女たちは、様々なバトルを繰り広げるけれど、やはり春奈とルシェールの読みが一番正解だったようだ。
光は、実はかなり疲れていたらしい。
何しろ、ルシェールに腕を組まれた直後、身体の力が抜け、眠り始めてしまったのである。