ソフィーの気後れ
さて、光たちは、いつまでも、築地本願寺にいるわけにはいかない。
何しろ「今日の食事カリフォルニアスタイル料理」の材料を買いに、築地市場に戻る必要がある。
そのため、光はキャサリンと、サラに声をかけた。
「あの、キャサリン、サラ、お疲れ様」
「大丈夫、歩くことぐらいはできる」
「その腕をね・・・他の歩行者にも迷惑だから」
つまり、組んだ腕をほどいてもらいたいという意思を伝える。
ただ、キャサリンも、サラも、そんな簡単には光の意思には従わない。
キャサリン
「そんなことを言って、私達を遠ざけるお気持ちなのですか?」
サラも
「いけません、こうしていないと後で車の中で、ソフィーの膝枕でしょ?」
ただ、春麗は、そんな「ちょっとしたバトル」を、フフンと見ながら、強烈な一言。
「ねえ、いいの?今度は光君の唇を奪うよ」
「早く腕を離さないと、カリフォルニアメニューから、中華にしちゃうよ」
それにはキャサリンも困った。
「うん、腕を組んでいる状態では、唇を奪うのは難しい」
サラもしかたなかった。
「確かに春麗は身軽だ、本当にやりかねない」
結局、腕を離すことになってしまった。
光は、そこでやっと自由な身体。
そして「女子同士のバトル」にポツリ。
「はぁ・・・戦闘より疲れる」
「でも、買い出ししなきゃ」
と、言いながら歩きだす。
ソフィーも、その様子を見てホッとしたと同時に、三人のただならない実力に感心する。
「とにかく戦闘には強い、光君への思いも強い、その上、光君と私の膝枕関係も、しっかり見抜いている」
「今も、歩きながら、左右と前をしっかり警護・・・って・・・後ろは私ってこと?はぁ・・・また負けているってこと?」
そんな光が、ソフィーに声をかけた。
「ねえ、ソフィー、いつもさ、こういう戦闘になると、逆に僕たちのほうが、容疑者とか犯罪者扱いで、地域の警察に責められるんだけどさ」
「今日は、本当に事後がスムーズだねえ」
ソフィーは、それに困ったような悔しいような顔。
「それはね、光君、国際問題になるからなの」
「実は空手道場での地域のおバカな警察の話が、すごい問題になってさ」
「今回のキャサリン、サラ、春麗の行動については、アメリカ大使館、ギリシャ大使館、中国大使館の監視、地域警察にも具体的行動まで連絡済み」
「だから、万が一にも、今までみたいな地域のおバカな警察官が暴言を吐くとか、取り調べで連行されるなんてないの」
「そんなことをしたら、今度こそ、とんでもない国際問題になっちゃうもの」
光がまた一言。
「そうか、キャサリン、サラ、春麗は、ある意味VIPなんだ」
「そういう意味もあるんだね」
そんな話をしている光にキャサリン
「ただ、光君の場合は、日本においては、首相直属の特別調査官、日本の行政を糺す意味もあって、隠密のようなもの」
サラもキャサリンを補足する。
「それが、私たちと一緒にいると、完全警護状態になるのです、ますます首相直属調査官の仕事もスムーズに進みます」
春麗も、後ろを振り返って光にニッコリ
「それにね、光君については国際的には超A級の警護をしなければならない存在なの、これからはきっと、日本だけの仕事ではなくなってくるよ」
「その意味もあって、私達が派遣されてきたんだ」
ソフィーは、またしても気後れ状態。
「う・・・全て先を行かれている」
「うーん・・・確かに、彼女たちの言う通りだ」
「光君、海外に行っちゃうのかなあ・・・ついて行けるのかな」
ソフィーの顔には、気後れと寂しさが、同時に浮かんでいる。




