戦闘、そして決着
キャサリンは銀の甲冑にアーサー王の聖剣、サラは白の単衣に女神アルテミスの弓、春麗は赤い中国服に三叉矛を携えている。
そして、光は阿修羅に変化している。
その阿修羅は、キャサリン、サラ、春麗の顔を見た。
「とにかくやりたいように、ただ死人は出さないように」
とだけの指示。
その指示でキャサリン、サラ、春麗は、ニッコリと承諾。
そのまま上空から地上に降り、戦闘集団に、今度は自分たちから襲いかかった。
阿修羅自身は、今回は戦闘に参加しないのか、全く上空に浮かんだまま。
その阿修羅の隣に、天使の羽を生やしたソフィーが並んだ。
そして、下界の戦闘を注視している。
「それにしても」
ソフィーがつぶやくと、阿修羅が
「ああ、カスリもしない、ただ、打ち込まれているだけだな」
戦闘集団からの攻撃は、三人の巫女にはカスリもしない。
キャサリンにナイフを振った時点で、キャサリンの聖剣に打ち据えられ、倒される。
また、拳銃使いが、その引き金に指をかけた時点で、サラのアルテミスの弓が、腕に突き刺さり、その激痛ゆえか、拳銃使いも倒され、立ち上がることができない。
春麗は、途中まで三叉矛を振るっていたけれど、途中から拳法に変えた。
連続蹴りで、一挙に戦闘集団の延髄を攻撃、バタバタと倒していく。
阿修羅は、途中から笑いだしてしまった。
「まあ、なんとあっけない」
ソフィーも、三人の戦闘系巫女の強さに呆れた。
「うん、とにかく別格、その攻撃の速さ」
その阿修羅とソフィーの横に、地蔵菩薩も並んだ。
「人死にがないようにと、打撃だけですね、それでも瞬速なので威力がすごい」
結局おびただしい数の屈強な男たちは、三人の少女により、あっという間に全員が倒され、駐車場に横たわっている。
そして、残る男は、リーダー格だけとなった。
直属の子分は、すでに春麗に延髄を蹴飛ばされ、サラの弓が両腕に突き刺さり、すでに何も出来ない様子。
キャサリンがリーダー格の男を、キッと見据えた。
そして、キャサリンの後ろには、弓を構えたサラ、今にも飛びかかりそうな春麗が厳しい顔で、リーダー格の男を同じように見据えている。
キャサリンが、リーダー格の男に声をかけた。
「おそらく、あの築地市場でテロでも起こして名を上げようと思ったのでしょう、しかし、そんなことは許しません」
リーダー格の男はうめいた。
「・・・お前たちは・・・何者だ・・・」
「何故、そんなことがわかる」
「何故、そんなに強い」
うめきながらガタガタと震えている。
サラが言葉をかけた。
「お前たちは、もともとは砂漠の暗殺教団だろう」
「アメリカにて正規の軍事教練を経て、その後問題を起こして除隊、暗殺教団に転じた、そもそも問題を起こしたことの目的も、暗殺教団に転じるため」
春麗はキャサリンに声をかけた。
「ねえ、キャサリン、どうするの?」
「こいつだけは、思いっきりぶっ飛ばしていいかなあ」
「とにかく、すっごく気に入らない」
キャサリンに続いて、サラの分析と春麗の脅しで、リーダー格の男は、震えが止まらなくなってしまった。