またしても責められる華奈と、光のフォロー
光と春奈は、何とか「奈良のにゅうめん」を発見した。
光
「都内のスーパーだから、無いかなあと思ったけれど、さすが、ここのスーパーには置いてあった」
春奈
「うん、さすが、光君だ、見つけるのが早い」
光
「春奈さんに誉められると、くすぐったくなる」
春奈
「あら、そんなことないよ、いつも心の中では誉めているもの」
とにかく、二人は熱々、その他の具材を買い込んでいる。
そんな光と春奈の前に、既に買い物を終えたのだろうか、華奈、キャサリン、サラ、春麗が立った。
一様に、大きなスーパーの袋、確かに日用品らしきものが袋から透けて見えている。
華奈は、最初から文句顔。
「ねえ!そこの二人!どうして腕を組んで、カート引いてお買い物?」
「他のお客様の動きの邪魔になるって、どうしてわからないの?」
と言うけれど、春奈にさっそく切り返される。
春奈
「そんなこといって、華奈ちゃん、料理の材料の買い出しできるの?」
「お母さんの美紀さんが嘆いていたよ、紙に書いて渡しても、必ず何か忘れて帰ってくるって」
「そのくせ、自分のお菓子だけは忘れないって」
「いい?にゅうめんと、奈良のおばんざいを作るんだよ?」
「華奈ちゃん、一品でも作れるの?」
華奈は、一言も言い返せない。
キャサリンが口を開いた。
「華奈さんって、料理は苦手なんですか?そうなると・・・私はカリフォルニアスタイルの料理には自信があります」
サラは難しい顔。
「光君は、どうみても華奢な身体、料理が苦手では、とても候補者などとは言えませんねえ・・・ところで私は、地中海からトルコ料理には自信があります」
春麗は、それでも華奈をかばう。
「しょうがないなあ、華奈ちゃん、中華を教えようか?」
春麗にかばわれても、華奈は、その前の春奈、キャサリン、サラの言葉で、ガッカリ状態。
顔もあげられない。
結局、外国人転入巫女の買い物に付き合っただけ、光の家まで、全員が戻るので、一緒にトボトボと歩くことになる。
華奈は、少し不安そうな顔で、光を見た。
「ねえ、光さん」
しかし、その次の言葉が出ない。
光も、なんとなく気がついた様子。
「華奈ちゃん、今日の夕ご飯のこと?」
華奈は、目に涙をためている。
やはり、母美紀と食べるのではなく、光たちと食べたいようだ。
光は、華奈にニコっと笑う。
「大丈夫だよ、華奈ちゃん、華奈ちゃんも一緒に食べるよ」
華奈は、途端にニンマリとする。
光は、そんな華奈に
「だって、奈良風のにゅうめんと、奈良のおばんざいだもの」
「人数も多くなったから、美紀叔母さんと春奈さんがメインで巫女さんたちが協力して作るんだ」
春奈が、少しホッとした華奈に声をかけた。
「華奈ちゃんも、そこでお料理習いなさい」
「いい?これはお嫁さん候補とか何とかの話じゃないの、奈良料理の継承のため」
春奈も、ようやく元気が戻っている。