光の「超失言」と膝枕バトル
表面上は、地域警察と治安に貢献する善良な空手道場、裏の顔は「ひ弱な青少年への鍛錬を目的とした暴行イジメ」「地域清掃で見かけた美少女を付け回すストーカー集団」の、始末を終え、光たち一行は、その空手道場を後にした。
光は
「全く、面白くないけど、少しは地域に役立ったのかな」
と、歩いていると、道場でのことが地域にも広まったらしい。
あちこちから、声がかかる。
「ありがとう!スッとした」
「あの空手連中も、威張りたい放題で、大嫌いだった」
「ほんと、スケベっ面でさあ・・・」
「しつこかったし・・・」
「警察に相談しても、まったく、のれんに腕押しで、門前払いだった」
「実は警察が治安を阻害していたんだ」
「本当に助かった」
・・・・・・
様々、おほめの声がかかるけれど、光はいつものキョトン顔。
そんな光に春奈は声をかける。
「だってさ、光君って首相にもらったカード見せただけでしょ?」
「対応したのは、阿形だけでしょ」
光も、その通りなので、何も言い返せない。
今度は華奈が光に文句を言った。
「それにね、ソフィーに膝枕を約束って、どういうこと?」
「どうして、簡単にホイホイ約束するの?」
「ソフィーだって、アヤシイんだから」
「いつも、捜査とか何とかって言ってさ、抜け駆けデートを決行するし」
光は華奈の文句にうろたえた。
そして、「うろたえのあまり」、とんでもない失言をしてしまう。
「だってさ、ソフィーの膝って気持ちいいしさ」
「なんかね、すぐに眠くなるしさ」
その言葉で、春奈が怒った。
「あのさ!どうして、そう無粋なの!」
「私だって、光君の膝枕になったこともあるよ!」
「その私を前にして、どうして、そんな無神経なことが言えるの?」
「あーーーわかった!ソフィーのほうが、私より若いって、そういうことなの?」
光は、春奈の「お怒り」に触れて、ますますうろたえる。
「えっと・・・そういう意味じゃなくてさ・・・」
「えーっと・・・えーっと・・・」
で、結局、何一つ弁解ができない。
春奈の次に、華奈が怒った。
「光さん!私もすっごく光さんに文句がある!」
「どうしてソフィーのお膝が好きなの?」
「いい?私が一番若くて美脚なの!」
「それにさ、最近、あちこち、大人っぽくなっているの!」
「さっさとわかってよ!」
「いい?ソフィーとか春奈さんみたいな、大年増なんて、どうでもいいからさ」
・・・やはり、華奈は最後に失言をしてしまうようだ。
春奈には、思いっきりお尻を叩かれ、ソフィーからは「超厳しい巫女のテレパシー:呪文間違い一回につき、母親に即時連絡する」が飛んできた。
華奈は、「うっ」と口をつぐんでしまう。
さて、光と「日本育ち巫女」の、たわいもないバトルを聞いていたキャサリンは、面白そうな顔。
「ほーーー光君の膝枕か・・・一度お願いしよう、それが光君ゲットの第一歩だ」
サラも負けてはいない。
「ふふ、身体全体のふくよかさでは、私とルシェールが双璧、光君は一瞬で私のものになる」
春麗は、少し焦った。
「う・・・体型では、私と華奈ちゃんでは、ほぼ同じ・・・そうなると単なる膝枕では、ルシェールとサラにはかなわない・・・となると・・・あれかな・・・」
春麗は、何か対抗策を思いついたらしい。
その顔がパッと輝いている。