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「光の膝枕」を簡単にゲットする綾子と巫女たち

光の隣に「スンナリ」座っている柏木綾子に、まず華奈が文句を言う。

「綾子ちゃん!どうして、そんな簡単に光さんの隣に座るの?」

「何を勘違いしているの?」

「光さんの隣に座っていいのは、この妻の私だけなの」

「それは、憲法で決まっていることなの、だから綾子ちゃんがやっていることは、憲法違反だよ!」


それを聞いた巫女たちは、まず、華奈に呆れた。

由紀

「・・・憲法なんて読んだこともないくせに」

ルシェール

「部屋の中は、少女コミックばかりで、活字が嫌いなんでしょ?だから呪文を間違う」

由香利

「どうして、周囲を混乱させるような文句しか言えないのかなあ、同じ伊勢様の巫女として恥ずかしい」

キャサリンは笑った。

「華奈ちゃんらしい、安心できる文句だ」

サラは、諦めて空いている席に座った。

「どうでもいいけれど、パーティーで挽回すればいいや」

春麗は、仕方ないと思った。

「今回は仕方ないよ、綾子ちゃんの救いが大きな目的の一つだったから」


そして光に対する「気に入らなさ」は、全員同じ文句。

「光は、アホで無粋で、ウカツで、女性の想いなど、全く理解できない」

「こうなったら、無理やり押し倒してでも、ゲットする以外に方法はない」

「でも、今はライバルが多すぎ、共倒れになっても困るから自重」

「スキをなんとか狙うしかない」


さて、「候補者世代巫女」が、そんなバトルを繰り広げていると、ソフィーと春奈もバスに乗り込んで来た。

そして、光と一緒に座っている綾子を、少し見て声をかける。

春奈は冷静。

「綾子ちゃん、よかったね、何とか解決できた」

「でね、光君、すぐ寝るから、支えといて」

「嫌だったら、私が変わるよ」


ソフィーも冷静。

「うん、綾子ちゃん、春奈さんが年増過ぎると思ったら、私でもいいよ」

「光君は、私の膝枕が好きなの」

「ちょうどいい固さと弾力なんだ」


綾子は、「そんなことを言われても」と、戸惑っているけれど、確かに隣の光は既に眠そうな感じ。

バスの窓のほうに頭を傾け、コクリコクリとなっている。


綾子は、そこで思った。

「せっかくお近づきになれて、窮地を救っていただいたんだ」

「それに、憧れの光さんなんだ」

「優先的に、膝枕が出来る位置にいるのは、もしかすると、諏訪の大神様のごほうびかもしれない」

「そうなると・・・」

綾子は、全くためらわなかった。

スッと光の身体を抱え、自分の膝に、その頭を乗せてしまったのである。


それを見た春奈は、震えた。

「私でさえ、膝枕させるのに、少々面倒な時があるのに」

ソフィーは気に入らない。

「下級生に膝枕させるって何?私にしなさい」


やむを得なく、他の座席に座ってしまった「候補者世代巫女」もブツクサ、もの凄い文句顔で言っているけれど、バスに楓がようやく乗り込んで来た。

そして、綾子の膝枕で、「すでにスヤスヤと眠る光」を見て、ニヤリ。

その次に、バス内の巫女たちを、「ゆっくりニヤニヤと見回して」、笑い出す。


「まったくねえ・・・こうも簡単に膝枕ね」

「それをさせてしまう、自称候補者巫女さん」

「一番、望みがあるのは、案外、綾子ちゃんかも」


綾子は「え?」との表情。

他の巫女たちは、「ますます気に入らない」という表情になっている。


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