演奏会前夜 光の家 そして邪宗の男女
演奏会前日のリハーサルも無事終了、光と巫女集団、奈良から上京してきた楓も同じ車に乗り、光の家に帰宅した。
光は、楓には、父の部屋を用意するつもりらしい。
「楓ちゃん、父さんの部屋に泊まってほしい」
と声をかけるけれど、楓は首を横に振る。
「やだ、みんなで和室の大広間がいい」
「いつも決戦の前は、そうじゃなかった?」
「私なんて、いつも奈良で仲間ハズレでね、大年増の巫女おばちゃん連中と春日大社の本殿でお祈祷だよ」
光が楓の意向を受けて春奈に相談をかける。
春奈は嫌そうな顔。
「うーん・・・寝相は悪いし、寝言で歌を歌うし、それもハトポッポとかさあ」
華奈も困った。
「柱に縛りつけても、暴れて家全体を揺らすかも」
ルシェールは策略を練る。
「楓ちゃんだけを大広間に寝かせる、いくら何でも、大広間全体を壊すような寝相ではないでしょ?」
ソフィーは、違う分析。
「うーん・・・2階の大広間の冷蔵庫のお酒は撤去だなあ」
「ハムとチーズもある、それも撤去しないと」
由香利もソフィーに同調。
「高級アイスもあるけれど、あれは光君にあげよう」
「ますますの体型になっても困る」
キャサリンは違う申出。
「私たち格闘系の巫女が囲んで寝ますよ、それならどう?」
サラも頷く。
「暴れたら、グレコローマンスタイルで固めますから」
春麗はにこにこ。
「光君を落とすコツとか、暴言の使い方も勉強したい」
・・・なんだかんだと言って、格闘系巫女に囲まれ、楓は寝ることになった。
そして巫女全員は、結局大広間で雑魚寝、冷蔵庫のハムとチーズ、奈良から楓が持ってきた大量のお菓子は、全て一晩、「巫女全員」で食べきっている。
さて、立川駅近くの古びた寺の本堂では、麻紀は豊村に抱かれている。
豊村
「演奏会場にはアイドル並の若い娘の集団を集めた」
「何しろ組織は金がある、いくらでもな」
「明日の朝、全員に俺とお前の時の媚薬を飲ませる」
「500人はいるぞ」
麻紀は喘ぎながら、豊村を睨む。
「何人かは手を付けたの?抱いたの?」
豊村は、麻紀を深く抱きながら笑う。
「さあな、悔しいか」
麻紀は、下から豊村をグッと抱く。
「やり過ぎだよ、私のところには、たまにしか来ないくせに」
豊村も麻紀を深く抱く。
「しかたねえだろ、これも計画に過ぎない、お前を忘れたわけじゃない」
麻紀
「そのアイドルをどう使う?」
豊村の声が低くなった。
「ああ、全員、地方出身者だ、もとはウブなガキ娘さ」
「そのほうが仕込みやすい、演奏が始まったら、適当に男に近寄らせる」
「後は、俺とお前の時の媚薬が働く」
麻紀の目が妖しく輝く。
「まずは、唇から媚薬交じりの唾液」
「その唾液は、男から生殖能力を奪う」
「それだけではない、その男の吐く息から、媚薬の成分が空中に拡散」
「感染力は半端ではない、瞬く間に都内、日本中」
「やがては、全世界に広がる」
豊村の動きが激しい。
「これで、本願成就の第一歩」
「この世に生き残るのは、その解毒剤を持つ俺たちだけ」
「俺と麻紀の子孫だけの世界になる」
麻紀の喘ぎは、豊村の動きに合わせて激しくなっている。