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光を容疑者扱いする地域警察官

坂口が、佐野警察官の前に立った。

そして

「おい、俺の顔は、わかるか?」

と声をかける。


声をかけられた佐野警察官は、一瞬、怪訝な顔。

しかし、すぐに気づいたようだ。

「・・・もしかして・・・坂口先生・・・ですか・・・」

佐野警察官は、そこまで言って、足が震えている。


坂口は、そんな佐野警察官を見て、厳しい口調。

「おい!佐野!本庁の柔道場で、この俺を見ていながら、すぐに気づかないって、いかにもたるんでいるなあ」

「だから、こんなチンケなとんでもない空手道場のヤツラの言葉を、うのみにする」

「こいつらの、日頃の非道にも、気が付かずか?」

「それとも、見て見ぬふりかい?」


警察庁本庁道場で、さんざん投げ飛ばされたのだろうか、佐野警察官は、硬直状態になった。

それでも、必死に言葉を返す。

「尊敬いたしております坂口先生のお言葉ではありますが・・・」

「しかし、被害と言いましょうか、怪我を負っているのは、ここの師範代と弟子です」

「そして、先生方は部外者じゃないですか・・・そうなると道場破りと言うのも・・・あながち間違いではないかと」


坂口は、佐野警察官の言葉に、またがっかりする。

「あのな、佐野、目の前の状態でしか、判断できないって、それだから駄目なんだ、しっかり状況を調べるってことができないのか?」

「そんなことだから、ここの警察署管内は、ストーカー被害やら空き巣、暴行被害が多いんだ」

「お前も知っているだろう?」

「ここの警察管内からの、警察捜査についての苦情報告が、他の署と比べても多いってことを」

坂口と佐野警察官が、そんな問答をしている所に、光が立った。

光は

「あの・・・そろそろ、僕たちも街を歩きたいので、用事もあるので」

と、佐野警察官の顔を見る。


すると、佐野警察官は、かなり気に入らない様子。

少なくとも、超大物坂口に対している時のような「気後れ」はない。

「なんだ?お前は!今、事件を捜査中なんだ!」

「いいか!お前だって、この場所にいたんだ!」

「お前だってな、この暴行傷害事件の容疑者の一人なんだ!少なくとも今の段階ではな!嫌疑が晴れたわけではない」

「ふざけんじゃねえぞ、俺がいいって言うまで、壁の前で座ってろ!」

と、今度は、光に怒り出した。


すると、光はムッとした顔。

「あの、ここに来た経緯から、この道場での出来事って、全てスマホで録画してあるんです」

「それに、そもそも僕が容疑者って何ですか?僕がこの道場で師範代とか選手と立ち会ったって、誰に聞いたんですか?」

「今の段階も何も、それを師範代とか選手に聞いてから、容疑者って言うべきじゃないですか?」


佐野警察官は、ますます怒った。

「うるさい!このガキ!」

「スマホで録画?そんなものあてになるか!」

「地域の安全を守る警察官に何たる暴言だ!」

「お前の身分証明書を見せろ!」

「ことと次第によっては、学校に通報して、退学処分にさせるぞ!」

佐野警察官は、キレると、何を言い出すのかわからない性分らしい。

これには、壁際で聞いている春奈、華奈は、呆れ顔になっている。


光は、またしても呆れ顔。

「じゃあ、身分証明書というのなら」

と、ポケットから、金色に輝くカード、つまり首相からもらった特別調査官のカードを佐野警察官に提示した。

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