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邪宗の本堂での、折檻と始末・・・そして異変

中央線立川駅からほど近い、古びた寺の本堂では、、怒号や鞭打ちの音が響いている。


「この馬鹿者!」

「何を見張っていたのか!」

「あれほど厳重に縛っておけと厳命したのに!」

怒号を発している男は、かなり大柄な男。

頭は禿げ上がっていて。筋骨隆々。

額に傷が多い、どこでつけたのか、つけられたのか、わからないけれど、ものすごい勢いで鞭を振って、数人の男を叩いている。


「いえ・・・全く信じられません」

「入口の鍵もしっかり」

「諏訪神社の禰宜と元巫女も、鎖で縛って、柱に縛りつけ、その上南京錠までかけて・・・」

鞭打ちされている男たちは、すでに頭や顔が裂け、流血も大量。

意識も、ふらついてきているのだろう、言葉を出すのにも必死なようす。


「うるせえ!」

「理屈はどうでもいい!」

「何があったんだ!」

大柄な男が、再び凄んだ。


「・・・いえ・・・あの・・・突然・・・鈴の音が聞こえてきて・・・」

「そしたら、中から鍵を掛けてあったのですが」

「それが、開いて・・・貧相な坊主が入ってきて」

「禰宜と元巫女に手を触れたら・・・鎖も鍵も外れて・・・」

鞭打ちされている男たちは、必死に報告をするけれど、それでは、とうてい許されるものではないようだ。


「この!」

「役立たず!」

「何のために、お前らみたいな、極道上がりの半端者を養ってやっているって思ってんだ!」

「馬鹿野郎ども!死んじまえ!」

大柄な男の、怒号とともに、「バシーン!」との、大きな鞭の音。

その時点で、鞭打ちされていた男たちは、全員が頭から血を噴き出し、意識を失ってしまった。


「おや・・・」

若い女が隣の部屋から顔を見せた。


「死んじまったのかい?」

「まあ、こんな奴ら、死んでいようが、どうだろうが構わないさ」

声は、少し高め。

ただ、その話ぶりは、まさに情のカケラもない。


「面倒だ、どうせ、役立たずさ」

「髑髏だけにして、生きていても価値がない、こんなの」

「本尊の土台にするか、粉々に砕いて、畑にでもまけばいい」

「胴体は、いつもの焼却炉」

若い女の顔には、何の動揺もない。


大柄の男は、その若い女に完全に服従。

そのまま、意識を失った「役立たずの極道者」の、首を大型のナイフで切断。

首から離された胴体は、大きな青い袋に詰め、荷台に乗せた。

大男がポケットから、リモコンのようなものを取り出して、何かのボタンを押すと、本堂の床が大き目に左右に開く。


「ドタン、バタ!ズシン!・・・」

大男は荷台を傾け、死体を本堂の床下に投げ捨てた。


大男は、再びリモコンを操作、すると、本堂の床が、閉じ元通りに。


「ゴー・・・」

おそらく死体を焼いているのだろうか、まるで火葬場のような音が聞こえて来る。


「後はお願い、髑髏にしておいて」

「私は、次の生贄を探す、もう時間がない、演奏会までに」

若い女は、面倒そうな顔をして、また姿を消した。


大男は、全く無表情に、首から髑髏にしようと、切った首をまとめて持つ。

しかし・・・すぐに、その表情が変わった。


「う・・・何だ?この首・・・」

「どうなってるんだ?」


大男は、ガタガタと震えだしている。



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