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練習を終えて帰途に 光とソフィーの「特別の会話」

「運命」と「第九」の第一楽章を振り終えて、光は巫女たちと、家までの帰途につく。


春奈が光に声をかけた。

「すごくいい演奏だったよ、光君」

光はうれしそう。

「ありがとう、春奈さんにほめられるなんて、珍しい」

春奈は、少し焦る。

「ごめん、いつもついつい・・・強いこと言っちゃう」

光は、首を横に振る。

「大丈夫、春奈さんのこと、信じているし」


春奈が、顔を赤くしていると、早速、華奈が絡む。

「ねえ、華奈も上手になったでしょ?」

光は、少し笑う。

「そうだね、飛び出しも出遅れもなくなってきたね」

「前より、周囲の人と弓の動きが合ってきた」


光の華奈への答えを聞いたソフィー。

「・・・って・・・前は、それが出来ていなかったの?」

「光君、我慢してたのかな・・・」

「それを華奈ちゃん、理解していないかも」

少し呆れるけれど、華奈は「ほめられた」と理解したようだ。

超ニコニコとして、歩いていく。


キャサリンは思った。

「どうして光君は、やさしいのかなあ」

「華奈ちゃんのヴァイオリンは・・・マジでイマイチの時があるのに」


キャサリンの心中を読んだのか、サラ。

「あのメデューサにも憐れみをかけて救いたいって言うんだよ」

「光君は、それは、やさしい、愛の神だよ」


春麗も光のやさしさに言及。

「かの白蛇精だって、光君のやさしさに、攻め切れなかった」

「逆に、癒されてしまったの」

「やさしさも、有効な武器なのかもしれないね」


ソフィーは、いろいろと考える。

「白蛇精、メデューサはともかく・・・ベルゼブブはこの次かなあ」

「おそらく、またコンサートの時を狙うのかもしれない」

「それについての対抗策は、万全に出来ている」

「問題は・・・その次かなあ」


そのソフィーの心に、突然、光の言葉が飛び込んで来た。

「ソフィー、コンサートの日は、ソフィーの予想通り、ブラジリアン柔術の時に試した春日様の秘法と、それに加えて氷室神社の秘法を加えるから、それで大丈夫と思う」

「それでも、大混乱と、ある程度の厳しい戦闘は起こる」


ソフィーは、周囲を、巫女たちを見回した。

そして、どの巫女も、反応のカケラもないことを「観音力」で把握、確認する。

「うん、これは光君、つまり阿修羅と観音だけに使える周波数だね」

「なかなか、うれしい」

そんなことを言ってしまったソフィーに光は厳しい。


「うれしいとかって場合ではなくて、他の巫女に聞かれると、混乱を招くからそうしたの、考え違いをしないで」

「あくまでも、戦略上の話なの」


ソフィーは、「うっ」と言葉に詰まる。


光は、その「特別な会話」を続ける。

「とにかく大混乱を狙ってくるはず」

「大量の悪霊を送り付けてくる」

「ただ、普通の人や巫女には、悪霊とは見えない姿」


ソフィーは、気を取り直して光に尋ねた。

「光君、それが見えるの?」


光は答えた。

「うん・・・少し・・・言いづらい・・・けれど」


光が次に発した言葉は、確かに光には言いづらい、候補者巫女たちには「特に混乱を招く」内容だった。


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