一応の決着 鉄板焼きの店に そして楓の異変?
黙っていた光が口を開いた。
「それについては、僕たちは、まだ高校生」
「政府で処すべきことは、具体的な処置は、政府に任せる」
「うっ」となってしまったソフィーに、光は言葉を続けた。
「徹底的に処してもらいたいのは、事実」
「目先の金に心を縛られて、純粋に武道を学ぶ人たちを傷つけるなど、言語道断」
「厚生労働省、医師会、地域警察、与野党の国会議員・・・」
「人を守るべき人々が、目先の金、それも自分たちの金のために、逆に痛みを与えるなどは、厳しく責められて当然」
「職業倫理のカケラも持ち合わせていない、そんな輩など徹底的に断罪されて当たり前なんだ」
光は、そこまで言って、表情をやわらげた。
ソフィーに、また声をかける。
「あとは、総理と官房長官に任せようよ」
「調査官のできる仕事の範囲を超えている」
ソフィーも、光の意図を読んだ。
「そうだね、つまりおなかが減ったってこと?」
厳しい顔のソフィーが、やっと笑った。
すると光は、坂口の顔を見た。
「坂口先生、お願いします」
坂口も、ホッとした顔。
「ありがとう、じゃあ、案内する」
光は、斎藤にも声をかけた。
「斎藤さんも一緒に」
斎藤はにっこり。
「ああ、勝利を祝って食べまくろう」
その斎藤に、楓がスリスリと寄っている。
光の一行と、坂口、斎藤は、坂口おすすめの鉄板焼きの店に入った。
事前の情報通り、食材の種類と量がものすごい。
坂口
「今日は、いつもより高級食材を準備してもらった」
光は目を丸くした。
「お肉も山盛り、魚介類も・・・」
「ガーリックライス?」
「上手にやるとパエリャもできそう」
巫女たちも大騒ぎ。
春奈
「ねえ、鉄板だから、関西風お好み焼きとか?」
キャサリンの目がパッと開いた。
「えーーー?食べたかったんです!是非!」
華奈もニコニコと
「うん、私が教える!」
と言うけれど、ルシェールがダメだし。
「華奈ちゃんは、形を崩すでしょ?私に任せなさい」
由香利は、魚介類の質に興奮。
「へーーー!すっごい新鮮!牡蠣、アワビも大きい!イカも捨てがたい、干物も美味しいそう!」
由紀はステーキ肉を焼きだした。
「タレは・・・うーん・・・悩む、これだけいい肉だと、塩コショウでも十分かなあ」
サラは、春奈とパエリャを作り始める。
「うん、アンチョビをしみ込ませましょう、味も一味濃くなる」
春麗は、フカヒレを選び、鉄板に乗せた。
「ふふん、中華風フカヒレ姿ステーキだよ、トロリとした特製ソースを使うの」
さて、大騒ぎになっている巫女たちの中で、一番食べることに熱心な楓は、いつもと異なっている。
斎藤の隣にピタリと座り、少し顔を赤らめながら、「普通に」様々なものを焼き、時には楽しそうに話をしながら、食べているのである。