楓の嫌みタラタラと、光
ソフィーは、全員を見回した。
「ねえ、モニターの電源、そのものを切っちゃうって、どう?」
「楓ちゃんが写ると、食事なんかしていられない」
巫女たちも、頷く・・・
が・・・遅かった。
右手にコロッケ。左手にお稲荷さんを持った、楓の顔がモニターに大写しになってしまった。
そして、今度の「嫌み攻撃対」は、光とルシェール。
「ふーん・・・光君・・・よく眠れたみたいだねえ・・・」
「ルシェールのお胸に包まれてねえ・・・」
「いいねえ、ふっくらホカホカとして・・・」
「ルシェールもいいねえ」
「光君を独占したよねーーー」
「やっと、おっとりルシェールの願いがかなったよねーーー」
「思いっきり抱きかかえたんでしょ?」
「ふーん・・・・ふーん・・・」
「あーーーー気に入らない」
「私なんて、一度もないよ、光君にそんなことしたの」
「光君は、すぐに私から逃げるしさあ」
そこまで言って、楓はコロッケをパクリ。
そのついでに、お稲荷さんもパクリ。
「うーん・・・絶妙の変な味」
「コロッケとお稲荷さんが口の中に入ると、変」
「でも仕方ないよねーーー」
「私だけ、奈良だもの」
「あなたたちは大都会、私はずーーっと昔の奈良」
「いい?お寺と神社ばっかりなの」
途中から何を言っているのか、わからないけれど、それはコロッケとお稲荷さんを頬張りながら話しているため。
光は、聞くのが面倒になってしまった。
「いいよ、楓ちゃんなんて、文句言わせておけば」
「煮込み過ぎても味が変になるから、食べちゃおう」
華奈が即時に反応。
「そうだよね、相手しない」
春奈は、魚介類のリゾットをよそりだす。
それを巫女たちが配り出す。
春奈
「いいや、見せびらかしちゃう」
ソフィー
「そうだね、美味しく食べてあげよう」
由香利
「本当に柚子の香りがいいわねえ」
由紀
「あたたまるし、リフレッシュする」
キャサリン
「はぁ・・・美味しい」
サラ
「何杯でも食べられそう・・・素晴らしい出汁が出ている」
春麗
「これは、絶品・・・」
光も食欲があるようだ。
珍しく、二杯目のおかわりをしている。
光が、悔しさを満面に出す楓に声をかけた。
そして、とんでもないことだった。
「楓ちゃん、一度、都内に出てきて欲しい」
「ちょっと付き合って欲しいところがあるの」
楓は、途端にうれしそうな顔。
コロッケとお稲荷さんを、そのまま飲み込んでしまった。
他の巫女たちは、「え?マジ?光君」となっている。
しかし、当の光の顔は、かなり真面目顔。
何か、思惑がある様子になっている。