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落胆気味の巫女たちと、楓登場

さて、春奈の指示があったにしても、光をルシェールに独占されてしまった巫女たちは、かなり落胆気味。


華奈は、顔をおおって泣いている。

「いつもそう、光さんって、子供の頃からそう・・・何かあるとルシェールのところに・・・私なんて・・・いつも見ているだけ」


由香利も、うなっている。

「癒す力は、ルシェールだねえ、私も寸前まで迫れるようになったから、少しは進歩したのかな・・・でもねえ・・・ルシェールが最強かなあ」


由紀は、難しい顔。

「うーん・・・安心感タップリなんだよね、ルシェールって、私は話はしやすいけれど、あくまでも友達感覚なのかな」


春奈が口を開いた。

「私がルシェールに任せたのはね、ルシェールなら危険なことはしないってこと、あくまでも常識的な範囲で、光君を癒せるからってこと」

「だから、みんなが心配するような、男女の仲とか、そうはならない」


春奈の言葉に対しては、全員が納得しているようで反論はない。


キャサリン

「確かに、光君の全てを包んで癒すのは、ルシェールですね、悔しいけれど事実」

サラ

「私も、それを認めるしかない、どうやってもルシェールの壁が厚い」

春麗は、懸命に考えているけれど、難しい様子。

「うーん・・・それでもねえ・・・何とかならないかなあ・・・ならないなあ・・・」


そのような状態のリビングのモニターが突然、光った。

そして、奈良の楓の顔が大写しになった。

これには、「また文句?」と思い、巫女全員が身構えることになる。


しかし、モニターに大写しになった楓は、怒ってはいない。

というよりは、むしろ、呆れている感じ。

そして、何の挨拶もなく、突然、しゃべりだした。


「あのさ!そこの巫女さんたち!」

「何で下向いてるの?」

「どうせ、アホで体力なしで、ウブでオクテな光君のことでしょ?」

「だいたいわかっているもの」

「由香利さんの、すばらしくきれいな身体を見て、フラフラになったんでしょ?お風呂で」


楓はズバズバ言ってくる。

それを見る巫女たちは、あ然として、何も言い返せない。


楓は、呆れたような顔で、言葉を続けた。

「あのね、光君は、小さな頃から、長風呂が苦手なの」

「一緒に百数えようと言ってもね」

「二十でもうだめって、出ちゃう子なの」

「いい?わかる?」

「だから、実はね、由香利さんのきれいな身体で、のぼせたんじゃないの」

「光君は、お風呂が苦手なの」


春奈は、途中から気がついた。

「そう言えば、光君は烏の行水だった」

「脱衣室の時間も含めて、10分で出てくる」

「そうかあ・・・お風呂苦手・・・」

「夏の炎天下も苦手だよね」

「二年生の夏なんて、体育の野外授業ごとに倒れていたもの」


楓は、まだ話を続けるようだ。

「それから、ルシェールの添い寝も、私たち幼なじみには恒例の行事なの」

「理由は簡単、それはルシェールの胸も身体も、昔からフックラとしているから」

「華奈ちゃんは、可愛いけれど、華奢なタイプ」

「だから、光君は、遠慮しているの、華奈ちゃんにはね」

「深く落ち込むこともなく、考えすぎることもないよ」

「それにルシェールだもの、真面目で危険なことはしない」

「安心して、癒してもらえばいいよ」


・・・と、そこまでは、巫女たちを安心させるものであったけれど・・・

楓は、何か文句を言いたそうな顔つきに変化している。


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