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え?金剛力士?

ずっと黙っていた光が、ようやく口を開いた。

声もいつもと同じ、ハンナリ声である。

「あの、よくわからないけれど、史上最強の空手って何ですか?」

「それに、僕たちが道を歩くのに、僕が華奢だとか何とか、何の関係があるのですか?」

「僕たちだって、公道を歩く権利はありますよ、公道はあなた方だけのものなんですか?」

「それに、この女性たちも、僕の大切な人たちです」

「何で、あなた方が、どうのこうのと言う権利があるのですか?」

「そもそも、この女性たちの同意があるのですか?」

「それに、僕たちだって、目的があって歩いているんです」

「どうして、何の関係もないあなた方に文句を言われなくてはならないのですか?」


ただ、光の反論など、空手家集団は何も聞いていない。

それどころか弟子集団からは

「聞こえないなあ・・・」

「何言っているの?」

「この地域で、俺たちに逆らいたいって思っているわけ?」

そんな声が出て、またしてもゲラゲラと笑われている状態。


師範代は、ますます光を責めた。

そして、その声が低くなった。


「おい!そこのガキ!」

「お前、史上最強を知らないって言ったな」

「そうか、知らないのか、大変な侮辱発言だ」

「それなら、俺達が、お前の侮辱に対しなければならない」

「いいか、とにかく道場に来い」

「お前は、俺たちを侮辱したんだ、その後始末を」

師範代が、そこまで言った時だった。


光の顔が、突然、、ニコッとなった。

そして、空手家集団の先を見ている。

その光の笑った顔を見て、師範代は、いきなり激怒した。

「おい!そこのガキ!この俺が真面目に話しているのに、なんて顔しやがる!」

「このガキ!」師範代は、抑えがきかなくなってしまった。

そして、光に向かって一歩踏み出した時である。


空手家集団の後方から、ものすごいドラ声のどなり声が聞こえてきた。

「おい!やめとけ!」

「お前たちじゃ、無理だ!」

「どうしてもって言うのなら、俺たちが相手になってやる」


師範代を含めて、空手家集団が後ろを振り返った。

そして、驚いた。


頭をきれいに剃り上げ、筋骨隆々の身体をスウェットスーツに包み込んだ大男が二人、そして、その隣には、かつての柔道オリンピック監督の坂口が歩いてくる。


空手の師範代も、かつての柔道オリンピック監督の坂口の顔は、すぐにわかったらしい。

「どうして・・・あんな超大物?それに、あの大男二人って・・・」

「メチャクチャ強そうだ・・・お前たちじゃ無理って、どういう意味だ」


弟子集団は、それでも強気。

「師範代!何ですか!こいつら!でかい身体して気に入らねえ!」

「俺たちは史上最強じゃないですか!」

「一瞬でも当たれば、どんな人間でも熊でも虎でも倒せるんでしょ?」

「一撃必殺って、いつも言っているじゃないですか!」


さて、空手家集団の動揺はともかく、大男二人と坂口は、光たちの前に立った。

坂口が、光に笑いかけた。

「光君、この二人が、どうせこうなるって言ってさ、光君ばかりにやらせるなって大騒ぎで」


光は、少し嫌そうな顔。

「また、こいつらか・・・あのゴツい顔がどうもなあ・・・」


しかし、春奈、華奈はすぐにわかった。

「金剛力士様、お懐かしい」

キャサリン、サラ、春麗は、目が輝いている

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