料理を作りたくなった巫女たち
巫女全員が甲板に集合すると、江戸の大親分が演説をはじめた。
「光様、いや、実は阿修羅様」
「それから、ここにおられる全ての高貴な御神霊の皆々様」
「このたびは、我が江戸の街をお救いいただき、誠に感謝しております」
「つきましては、ここに感謝の意といたしまして、出来うる限りの宴を開催させていただきます」
「是非、ごゆるりと、この宴をお楽しみください」
江戸の大親分の、その演説が終わると同時に、目を見張るような新鮮な魚介料理が大量に甲板に並べられる。
マグロ、サーモン、海老、蟹、アナゴ、雲丹、ホタテ、タコ、イカ、ヒラメ、ブリ、カンパチ、サワラ・・・
刺身やお造りは当然、握り寿司、チラシ寿司となってみたり、鍋に入れられたりもしている。
華奈は、この時点で大興奮。
「へえ!こんなに美味しいの?いくらでも食べられる」
全ての魚料理を凄まじい勢いで、食べている。
春奈も、食が進む。
「こんなの見たら、ダイエットなんて言ってられない」
「うーーん・・・雲丹が美味しい!丼で食べたい」
ルシェールは鍋にご執心。
「この出汁が絶品、これを地中海風の煮込みにしたら美味しいだろうなあ」
由香利が、ルシェールの言葉に即反応。
「ルシェール、準備してあるよ、一緒にやりましょう!」
ルシェールも、にっこり、一緒に大鍋で地中海風魚介煮込みを作り始めると、やはりアルテミス女神の巫女サラも黙ってはいない。
「私も混ぜて!その後、パエリャを作ろうよ」
話は、パエリャづくりにまで進んでいる。
さて、春麗はまた違う。
「和風や地中海風に対抗しようよ」
と、媽祖女神の巫女、周美鈴を誘う。
周美鈴は、少し考えた。
「そうなると、フカヒレ、アワビの醤油煮込み、エビチリかなあ」
「中華では、あまり生では食べないから」
そんな巫女たちの様子を見て、江戸の大親分は苦笑。
「できれば、巫女さんたちには、ごゆるりと食べたり飲んだりをしていただきたいのですが」
ソフィーが、それに答えた。
「かなり料理好きなんです、みんな」
「だから、これほどの、新鮮な素晴らしい魚介類を見てしまうと、ムズムズしてしまうんです」
由紀も、途中までは食べていたけれど、他の巫女たちが料理を始めているのを見て、自分も何かを作りたくなったようだ。
「相模風、魚介類の炊き込みご飯」
「トコブシも入れて・・・」
と、素材を選んでいると、華奈と春奈が由紀の前に。
春奈
「手伝うよ、炊き込みご飯美味しいし」
華奈
「私も頑張る」
結局、昨年からの同じ学園の教師と生徒、協力は、スンナリと決まるらしい。
さて、光は、途中から、現代人の服を着こんだ八部衆や関羽将軍、ポセイドン、江戸の大親分たちと、話しこんでいる。