メデューサ対策に春奈とソフィー?
キャデラック車内での深刻な話はともかく、車は船着場についたようだ。
由香利の父、江戸の大親分が、慎重に声をかける。
「それでは、皆様、屋形船にお移りください」
光も、立ち上がった。
「メデューサの話は、また家に戻ってからでかまわない」
「対策は、考えてあるよ、春奈さん」
春奈が「え?」という顔になるけれど、光はあっさりと春奈の手を握ってしまう。
途端に春奈は赤面、
「もーーー!恥ずかしいじゃない!突然」
ただ、春奈は赤面しているだけでは、おさまらない。
「ほぼ無理やりに」光と腕を組んでしまう。
すると、今度は光が赤面状態。
「春奈さん、やり過ぎ」とブツブツ言うけれど、
春奈は「うるさい!」と言い切って、腕を離す気持ちなど、全くない様子。
これには江戸の大親分も苦笑い。
キャデラックを先に降りて、一行を先導し始めた。
光と春奈も、一緒にキャデラックを降りるけれど、後方の巫女たちは文句タラタラ状態。
華奈
「年増パワーを発揮している、きっと光さんは迷惑かもしれない」
サラ
「気に入らない、私でいいのに、今回は」
由香利
「まったく光君をゲットする直前まで進んだのに、ちょっと甘かった、反省しきりだ、それにしても、光君は無粋だ」
ルシェールは何故か冷静。
「どうせ呪法で、実は疲れているんでしょ?それを癒しの春奈さんの力で楽になりたいだけさ、私でもいいのに」
由紀も、いつもの通り冷静。
「ルシェールの言う通りだよ、由香利さんの呪法でドキドキ過ぎたから、春奈さんの癒し力で中和しているだけ」
キャサリンは、まだ沈んでいる。
「なんか、光君の攻略って、メチャ難しいなあ、強敵が多すぎる」
春麗は、ケラケラと笑っている。
「まあ、いざとなったら、押し倒す、それだけ、みんな寸前でかわされ過ぎ」
後でゴチャゴチャ言い合う巫女たちは、そんな感じ。
ただ、観音様の巫女ソフィーだけは、別の分析をしている。
「問題は、メデューサが、実際はどのような攻撃を仕掛けて来るのかということ」
「石化攻撃に対して、どう対処するのか」
「石を砕くのか、あるいは石化攻撃力そのものを無力化するのか」
「光君、実は阿修羅が春奈さんの癒し力を使うと言うのは・・・うーん・・・」
ソフィーは、途中から「観音力」を使って、光の頭の中をのぞいている。
が・・・しかし・・・
「すごい結界・・・石の壁になっている」
「私の観音力透視をはね返すなんて・・・やはり最高神阿修羅だ」
そんな状態で、光の頭の中を全く読むことができない。
少しジリジリとなったソフィーの耳に、突然、光の声が飛び込んで来た。
「ねえ、ソフィー、ソフィーにもお願いがあるの」
ソフィーは、観音力が使えなかったことで、ムッとしているけれど、
「なあに?光君」
一応は冷静に光の言葉を待つ。
すると、光の言葉が、またソフィーの耳に。
「春奈さんのサポートお願い、だから家に帰ってから、三人で相談」
「もしかすると、明日以降、ソフィーとだけ、お出かけするかもしれない」
ソフィーは、目を丸くして、そしてうれしくなった。
「え?光君!デートのお誘いなの?しかも二人だけ?」
しかし、その後に戻って来た光の言葉は・・・とんでもないものだった。




