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由香利の胸に光の顔が埋没する

由香利も、相当焦っていた。

「やばい・・・光君、顔が真赤、のぼせたの?」

「目に力がない」

「さっき、突然、鏡が輝いて、あっと思ったら、お風呂がなくなって光君が真赤で倒れている」

「うーん・・・こうなると・・・」

「冷やしたタオル?」

由香利は、冷やしたタオルを光の額に乗せた。

すると、少しだけ光の表情が落ち着いた。


由香利は、そっと光に声をかける。

「光君、のぼせちゃったの?」

「呪法は終わったよ」

「でも、大丈夫?」

とにかく光が心配でならない。


光は、最初は「う・・・う・・・」と唸っていたけれど、少しだけ目を開けた。

少々、ウツロな目であるけれど、由香利を見た。


由香利は、胸をなでおろした。

「・・・心配したよ、光君・・・」

そして、光を抱きかかえる。


光の唇が動いた。

「由香利さん・・・ごめんなさい」

謝っている。


由香利は、首を横に振る。

「そんなことないって、強い呪法だから、身体にも影響があるの」

そう言って、光の背中をさする。


すると今度は、光が首を横に振る。

「違うの、由香利さん」

少し恥ずかしそうな顔。


由香利は、光の顔をじっと見る。


光は、ますます恥ずかしそうな顔。

「由香利さん、服を着ている時でも、すごくきれいで・・・」


由香利の顔も赤くなった。

由香利も震えてきた。


光は、由香利の胸に顔をつけた。

「お風呂で一緒になった時ね」


由香利の声がかすれた。

「うん・・・」


「由香利さんの身体を正面から見て」


由香利は何も言えない。


「本当にきれいで、美しくて」

「しっかり見てしまって・・・」

「そしたら、クラクラしてしまって」


由香利は、ますます真っ赤。


「もーーー!光君!」

「うれしい!」

「そんなにほめてくれて!」

「はぁ・・・幸せだあ・・・」

「恥ずかしいけど、うれしい、幸せ」


由香利は、再び、光をしっかりと抱いた。


光の顔は再び、由香利の胸に埋没することになった。



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