由香利と光の状態に、大騒ぎになる巫女たち
晴海ふ頭では、華奈、春奈、ルシェール、由紀がオカンムリになっている。
華奈は、顔を真っ赤にして怒っている。
「もう全て、倒れていた人は元気になって歩いて行った、戦闘は終わったの、光さんはどこ?由香利さんはアヤシイし強力なんだから、光さんが超危ないって!もしかしてあの呪法を使っているかも・・・そんなの使われたら光さんはイチコロだって!」
春奈は焦っている。
「うーん・・・何か、相当、危ないことをしているような波動を感じるんだけど・・・由香利さんの舌が光君を、あちこちなめている」
ルシェールは胸の十字架を握りしめ、懸命に透視。
「うわ!マジでヤバイ!由香利さんと光君が湯煙に?あーーー唇まで!」
由紀は、呪法を使い透視。
「うわーーー!由香利さん、無理やり光君に迫っているって!光君は防御のカケラもないの?どうしていつでもどこでも亀なの?」
そんな状態の晴海ふ頭の上空に、鳥神カルラが現れた。
ソフィーが、全員に声をかける。
そのソフィーも混乱を極めている。
「ねえ、みんな、マジで危ない!光君の貞操の危機だって!」
「もう、寸前かもしれない!」
「下手すると、もう・・・既成事実かもしれない!」
キャサリンからも声がかかった。
「グズグズしてないで、さっさと鳥神カルラに乗ってください!」
サラは、佃住吉の方角が気になって仕方がない。
「やばい、マジ、やばい!由香利さんも光君も、全裸って!」
春麗も、焦っている。
「由香利さんの目も、光君の目も、トロンとして妖しい!」
鳥神カルラの上からの戦闘分析グループは、いつのまにか「由香利と光のアブナイ動き監視団」に変化している。
そこまで言われたら、晴海ふ頭の巫女たちは、否応がない。
春奈が呪文を唱え、瞬時に鳥神カルラの上に、全員が乗ってしまう。
華奈は、佃住吉の方角を見て、泣き出した。
「あーーーー!だから、由香利さんと光さんを二人きりにさせてはいけないって、あれほど言ったのに!」
「由香利さんは、その気になったら最強なの!」
「うーーー・・・呪法以上になったらどうしよう・・・」
顔を覆って、大泣き状態になる。
春奈は、焦り続ける。
「ねえ、カルラ神、もっとスピード出せない?光君の貞操の危機なんだって!」
「そんなことになったら生きる気力がなくなるって!」
ルシェールは、天を見上げて祈り始めた。
「マリア様、お願いです、確かに由香利さんも素晴らしい巫女、でも、私は光君が好きなのです、光君を私のもとに」
由紀は、少し冷静さを戻した。
「裸で抱き合う・・・そこまでは私も出来た、抱き合って眠ることまでだったけれど・・・」
「でも・・・そもそも佃住吉に温泉施設はないはず、となると、あくまでも呪法、幻影の中での肌のふれあいになる」
キャサリンも、由紀の冷静な言葉に、落ちついたようだ。
「そうですね、虚像なんですよね、あまり気にするべきではなく」
サラも落ち着きを戻した。
「というか、光君は華国祥さんの霊薬で多少体力が向上したとはいえ、やっと普通の高校三年生の男子なみでは?」
春麗も冷静になった。
ずっと佃住吉を凝視。
「うーん・・・由香利さんはともかく、光君がフラフラになっているんだけど」
同じように、冷静に戻ったソフィーが口を開いた。
「ああ、光君は由香利さんの前で緊張して、おまけに裸にされてお風呂でしょ?」
「もうね、ノボセて倒れる寸前、由香利さんも困っている」
「これじゃあ、既成事実どころじゃないって」
そのソフィーの言葉で、鳥神カルラの上の巫女たちに、「一応の安心感」が漂うことになった。