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温泉の呪法にて仕上げ(2)阿修羅と天照様

由香利は、両手で顔を覆ってしまった光に厳しい言葉。


「だめ!光君!どうして顔を隠すの?」

「私だって、ドキドキしているけれど、脱いだの!」

「それを見ないと言うのは失礼だよ」

「これも、呪法なの、素肌で霊温水の中で、抱き合うのが」

「ほら!そこで亀しない!」

「しっかりなさい!」


光は、その顔を覆っていた両手を外した。

そして、ゆっくりと目を開ける。


由香利は、笑っている。

そして、形の良い胸が目の前にある。


光は、恥ずかしいけれど、思ったままを言う。

「由香利さん、すごく、きれいです」

「顔を覆ったりして、ごめんなさい」

「いつも・・・逃げたりして・・・悪いなあとは思っていました」


その光に由香利が、さらに近づき、光の右手を取った。

由香利は、やさしい顔になった。


「いいよ、光君、謝らないで」

「見てくれなったから、いつも逃げられたから、強いこと言っちゃった」

「嫌われてはいないとは思ったけれど、ちょっと女性にはオクテかなあと思っていたの」


由香利は、光の右手を、ゆっくりと自分の左胸に当てた。

「光君、わかる?」


光もわかったらしい。

「由香利さん、すごくドキドキしています」


由香利は、ますます光に接近した。

「さあ、どうするの?これから」

「光君と私、どうするの?」


光は意を決した。

ここで、ためらっている場合ではないと思った。


「由香利さん」

光の声が震えた。


「はい・・・」

由香利の声がかすれた。


光は、その両腕でしっかりと由香利を抱いた。


その瞬間・・・


ものすごい輝きが、光と由香利を包み込んだ。



「懐かしい、阿修羅様、これは1500年ぶりかな」

たおやかな女性の声が聞こえてきた。


「相変わらず、お美しい、天照様、素晴らしいお肌で」

今度は、よく響く男性の声、阿修羅の声になっている。


「いつも、あなたの寄りましの男の子には、逃げられますが」

天照様の声が、クスクスと笑う。


「ああ、難しい男の子でね、まだ深い傷が消えていない」

阿修羅の声が、少し沈んだ。


「それを他の巫女さんも必死にねえ・・・私のもう一人の巫女の華奈も懸命なんですが」

天照様は、またクスクスと笑う。


「うーん・・・その話は光君に任せてあるんでね」

阿修羅は、少し困ったような声。


不思議なお風呂の中での、阿修羅と天照様の会話は、しばらく続いていた。


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