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由香利のお願いと超接近

ようやく都内に戻って来た光たちは、光の言葉通りに平穏な日々が続く。

料理などは、それぞれの巫女が各国の料理を協力し合って作るので、キッチンはいつも和気あいあい。

料理が苦手な華奈も懸命に料理を教わり、ハンバーグまではなんとか作れるようになったほど。

また、コンサートに向けた練習も順調、時々練習を見に来る大指揮者小沢も感心するほどになっている。


さて、そのような平穏にして充実した日々の中、由香利が光に声をかけた。

「ねえ、光君、少し付き合って欲しいところががあるの」


光が由香利の顔を見ると、由香利は真顔。

「あのね、佃の住吉神社なんだけれど」


光は首を傾げた。

「由香利さんは伊勢様だよね、それで住吉様?」


由香利は首を横に振る。

「うん、父方は伊勢だけど、母方は住吉なの」

「その住吉様から、御言葉を受けてね」


光はフンフンと頷き、由香利の次の言葉を待つ。


由香利

「とにかく外来からの海水に邪霊が多くなっているということ」

「その邪霊が魚の中に入る」

「その魚を食した人に、必ず悪影響が出る」


光は腕を組んだ。

「横浜中華街の、視肉と太歳みたいなのの、お魚版かなあ」

「海は広いからなあ・・・」

「邪霊を仕込めば、世界中に広まるんだ」


由香利

「具体的には、攻撃的な人間が増える種類の邪霊らしい」

「他者の痛みや、死を喜ぶ邪霊」

「破壊や混沌、不潔を好む邪霊」

「住吉様の見立てでは、本当に性質が悪い邪霊」


光は由香利の顔を見た。

「それじゃあ、僕も佃に行ってみる」

「できれば、一緒に行ってほしい」


由香利は、当然と言った顔。

「うん、それほど大きな神社ではないから、光君と私だけでいい」

「多くなりすぎると混乱するだけ」


光は、少し笑う。

「由香利さんと二人だけって、あまりなかった」

「少し緊張するかなあ」


由香利も笑う。

「いつもそうだよね、手を握ろうとすると走って逃げる」

「嫌いなの?」


光の顔は真っ赤。

「いえ・・・あの・・・由香利さん、綺麗過ぎて」

「ドキドキしちゃって、あの・・・」

「えーっと・・・いいなあって・・・」

なんとも、シドロモドロの光が復活した。


由香利は、そんな光の手を、有無を言わせず握ってしまう。

「キャサリンもサラも春麗もつけないでいい」

「光君の護衛は、親父の子分の超猛者たちで固める」

「全員が国体選手級だよ、強いよ」


光の顔はますます真っ赤。

「あの、由香利さん、恥ずかしい」

「ドキドキして、困ります」

「護衛も何も、それより・・・はぁ・・・どうしよう・・・」

情けないほど、シドロモドロになっている。


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