光の家の隣のアパートにて(2)
まず、ルシェールが怒った。
「光君!私も住みます、駄目って言ったら、光君のベッドで寝ます」
光は、「え・・・それじゃあ・・・」と、二つ返事で承諾。
由香利も、怖い顔。
「あのさ、光君、私の大学も光君が来年から通う大学と一緒、それに日本橋からはここのほうが近いの、だから先輩の私に部屋を貸せるのは当然」
少し強引だけど、光は由香利に、素直に「はい」と頷いてしまう。
最後にソフィー
「光君ね、これだけの巫女が集まって、警護もあるの」
「だから、わかっているよね、断ったら毎日強制的に膝枕させるよ」
ソフィーもかなり強引、光は押されてあっけなく了承。
ということで、八軒中、七軒の部屋は、簡単に決まってしまった。
ただ、春奈は、隣に住もうとは口に出さない。
「だってさ、光君のそばにいたいしさ」
「余計なことを言って、光君が『じゃあ、春奈さんも、隣?』ってすぐに言うと、それで決まっちゃうしさ」
と、完全黙秘を貫く。
華奈は、またしても超がっかり、下を向いている他はない。
光は全員に
「だいたい、そういうことになったので」
と前置き、
「空き部屋は、万が一のため、客室として残しておきます」
と、決めてしまった。
さて、部屋と、入居者が決まったので、普通ならそこで、家に戻るのだけど光はまた廊下を真っ直ぐ歩き出した。
そして光が立ち止まった場所にはエレベーターがある。
春奈は驚いた。
「マジ?2階建てでエレベーター?」
それは他の巫女たちも、そんな様子。
光は全員を手招きして、エレベーターに。
そして、屋上のボタンを押す。
エレベーターは上昇し、屋上のドアが開いた。
光たちは、屋上にでたけれど、まだコンクリートの状態、手すりぐらいはついているけれど、殺風景な状態になっている。
光は巫女たちを前に
「それでさ、ここに温室を作るかなあとね」
「薬草とか花とか」
「指導は楓ちゃん、時々、奈良から来てもらってさ」
「今回の戦いに役立つような薬草とか花になるのかな」
光のその言葉を聞いて、華奈がうれしそうな顔になった。
「うん!それは光さん、ナイスだ、これで楓ちゃんも納得する」
春奈も
「光君としては、気がきいている」
ルシェール
「ほー・・・私も何か薬草育てるかな」
由香利
「トマトとか、野菜作ってもいいな、面白そう」
由紀
「屋上農園か・・・面白い!」
ソフィー
「いいなあ、新鮮野菜、これで住むのが楽しくなった」
キャサリン
「ハーブを育てたいなあ」
サラ
「ローズの完璧なのをつくりたい」
春麗
「中国四千年の仙薬でも」
光の屋上温室農園計画は、巫女たちに、大好評となっている。