vs横浜有名私立校暴行集団(5)
まず、ソフィーの目と言葉が厳しく変化した。
そして、ソフィーに手錠をかけようとした警察官に逆質問。
「ふーん・・・逮捕って罪状は何なの?」
「あのお坊ちゃんに指図されたから、私たちを逮捕するの?」
「少なくとも、周りで見ていた人、たくさんいるけれどさ、全く聞き取りも何もないの?」
「それが、この横浜の警察の捜査の仕方なの?」
しかし、ソフィーに手錠をかけようとした警察官は、引く様子もない。
「いや、最初は事情聴取で連行しようと思ったけれど、気が変わった」
「面倒だ、公務執行妨害とする」
「まず、お前の身分証明となるものを見せろ!」
「おい!さっさと見せろ!」
周囲全体に聞こえるような大声でソフィーを威嚇する。
ソフィーは、本当に呆れた。
そして、低い声。
「まあ、仕方がないねえ・・・」
「あんたたちは・・・」
「今のあんたの言葉も、年長の警察官のお坊ちゃんとの会話、それから騒動が始まってから全ての動き」
「全て・・・警察庁、神奈川県警、そして官邸、弁護士協会とマスコミも送付済みなの」
ソフィーに手錠をかけようとした警察官は、その言葉に動揺。
しかし、ますます激高。
「いいから!身分証明を見せろ!」
「動画だことの、警察庁だことの、官邸だことの、くだらん戯れ言なんぞ、どうでもいい!」
まさにソフィーの胸倉につかみかかる寸前の状態。
ソフィーは、そこで笑ってしまった。
「まあ、いいさ、どうなっても知らないよ」
「私も鎌倉の生まれだからさ、神奈川県警の不祥事は明らかにしたくなかったんだけど・・・そこまでアホなら、どうでもいい」
ソフィーは、その胸ポケットから、「内閣特別調査官」の名刺と身分証を取り出した。
「ほら!これでわかる?」
ソフィーに手錠をかけようとした警察官は、それでガクンと腰が抜けた。
「・・・ソフィー様でしたか・・・すると・・・あの男子高校生は・・・光様?」
腰が抜けて、座り込んでしまった。
その警察官の状態が異常に見えたのか、他の警察官たちも寄って来た。
ソフィーは、その警察官たちにも、身分証を呈示。
そしてたたみかける。
「私は、ソフィー、わかるよね」
「それから、あの男の子は光君」
「それとね、彼女たちはキャサリンとサラ」
「私たちもそうだけれど、彼女たちにも手を出したら、すごい大きな国際問題になるよ、わかる?」
「・・・って、動画送っちゃったけれど・・・」
「困るよねえ・・・あんたたち・・・」
ソフィーの言葉に、警察官たちが震えあがっていると、もう一台の警察車両が到着した。
そして、降りて、走って来たのは、警察監察官とソフィー達を逮捕しようとした警察署のトップらしい。
それと、普通のスーツ、それでも、上質なスーツに身を包んだ紳士も走って来る。
警察監察官は、ソフィーの前で身体を震わせている警察官たちを一喝。
「この馬鹿者!」
「何がお坊ちゃまたちに逆らうなだと?」
「弱気をくじき、悪者の見方をするのが警察なのか!」
そして、おそらく管区の警察署のトップは、悲痛な顔。
「ああ!俺も処分されるが、お前たちにも厳重な処分だ!この馬鹿者!」
上質なスーツに身を包んだ紳士は、実は学園長だったようだ。
男子高校生たちに声をかけた。
「君達は、校則違反で全員退学、君達の御父兄も納得されている」
「これほどの、ひどいことをしていれば、しかたないだろう」
「横浜有名私立校の男子」たちは、ますます立ち上がれなくなった。