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華国祥(関羽将軍)からのお願いと、光の渋い顔。

さて、「滋養強壮のための針治療」ということで、別行動となった光は、華国祥と華清宮の別室に入った。

その別室は、まさに中華風の豪華を極めた広い部屋。

真っ白な大理石の床に、真紅の大きな丸テーブル。

天井からは金銀宝石を惜しげもなく使った照明がかかる。

壁は基本的に白いけれど、中華独特の複雑な模様の朱色の飾りが備え付けられている。


華国祥が、キョロキョロと部屋を見回す光に声をかけた。

「すみません、無理を申しまして」


光は、まだ驚いている様子。

それでも、少々は反応する。

「いや、あの巫女たちとお風呂に入るよりは、楽です」

つい、本音を言ってしまう光である。


華国祥は、そんな光に苦笑。

「いや、最初は一緒にお風呂と思ったのですが」

「とても、そんなところではありませんね」


光は、その言葉に深く頷く。

「そうなんです、本当に神経を使うんです」

「時々文句を言って来たり、巫女同士でもね」

「一人の時のほうが気楽だったかもしれない」


華国祥は、また苦笑。

「いや、阿修羅様の御意向もあるのですから、それは耐えていただかないと」

「辛いとは思いますが」


光は、少し頭を掻いて華国祥の顔を見た。

「で、華国祥さん、わざわざここにとは?」

光としても、「別行動」の真意を知りたいと思ったのである。


華国祥は、その光の言葉で、真顔に戻る。

「はい、光様、実は阿修羅様にも、お願いがあるのです」

光が見つめる様子を確認して、華国祥は言葉を続けた。

「実は、今回の作戦に、この私と媽祖様が参戦をしたいのです」

「先ほどの戦いを見てしまって、私も媽祖様も、血が騒いでしまって仕方がなくて・・・」

そこまで言って、華国祥は、やや不安な様子。


何しろ、「お願い」を聞いた光の顔が、すぐれない。

「うーん・・・」と言ったきり、腕を組んでしまった。


その光が、ブツブツとつぶやきだす。

「関羽将軍はいいんだけど・・・戦闘神が増えるだけで、強いし助かるけれど・・・」

「媽祖様がねえ・・・また女の子が増える?」

「揉めなければいいけどねえ・・・」

「また、神経使っちゃう・・・アチコチで言ってくるけど、そんな風に増やしているとキリがないなあ・・・」


光のブツブツ声を聞いて、華国祥は、ますます不安。

「えーーーっと・・・面倒ですかねえ・・・」

「設定を女子高生にしないようにします?」

「媽祖様は、楽器できたっけ・・・ホルンとか面白そう」

いろいろ言うけれど、女子高生設定にして、音楽部に潜り込ませたい雰囲気もある。

もしかすると、女神媽祖から、お願いされているのかもしれない。


光は、またブツブツ。

「でもねえ・・・女子高生がまた増えると・・・はぁ・・・・」

「それは・・・海から来る悪神もあるから、海の女神の媽祖さんがいると便利なんだけどねえ・・・仕方ないかなあ・・・」

「・・・はぁ・・・アパートの部屋が開いてないから、いいかなあ」

最後にはため息をついている。


華国祥は、そこまで聞いて、少し安心。

「媽祖様も何とかなりそうだ、よしよし、女子高生はともかく、潜り込ませる」


光も仕方なかったようだ。

「わかった、関羽将軍、了解した」

そして条件をつけた。

「でも、絶対に、媽祖様の巫女には、お嫁さん何とかの話はさせないように」

「そうしないと、疲れる」


しかし、華国祥、いや、その正体は関羽将軍の霊は、ニコニコと笑うばかりになっている。

もしかすると、もう一つの「お願い」があるような雰囲気を醸し出している。


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