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光は春奈の胸に包み込まれた

「あ・・・あれ?」

光がポツリとつぶやいた。


「甘い・・・何これ・・・」

「カスタードクリーム?フルーツサンドのクリーム?」

「ラムレーズン?」

「チョコレートガナッシュ?」

「ザッハトルテかなあ」

「粒餡?うーん・・・」

「みたらし団子?」

そんなことをつぶやくごとに、眠っていた光の目が開き始めている。


また、そんな光を見守る巫女たちは、あっけにとられている。


春奈

「甘いのはわかるけれど・・・甘味が全部種類が違う」


美智子

「ふーん・・・面白いねえ・・・次は何かな」


華奈は、ニコニコしている。

「何でもいい、光さんの目が開いたから」

「ついでに春奈さんに、私もその丸薬をもらおう」

「どんな味がするのか、興味がある」

と、春奈を見るけれど、実は春奈も途中から同じことを考えていたらしい。

華奈に目を合わせて首を横に振る。

「だって、光君に飲ませたら、薬壺消えちゃったもの」

「一粒取り出して、薬効成分を調べようと思ったんだけど」


他の母親世代巫女は、様々、分析をしている。

圭子

「薬師様の秘法に関わる丸薬か・・・奇蹟の一つだね、これはきっと」

奈津美

「でも、光君の好きな甘味だらけだよ、そうなると・・・次は?」

ニケ

「うーん、ペパーミント系かな」

ナタリー

「サヴァランのこってり系かも」

美紀

「ミルクキャラメルかもしれないなあ、光君は大好きなはず」


さて、候補者世代巫女たちも、様々。

ルシェール

「ふーん・・・そうなると、光君はカスタードクリームが一番好きなんだ、これは参考になるなあ」


由香利

「お饅頭ってさっき言っていたよ、粒餡らしい」


由紀

「でもねえ、やはりフルーツクリームが好きなんだね、そのサンドイッチ毎日だったもの」


キャサリン

「さっき、ドーナツって言っていたけれど、何味かなあ」


サラ

「レモネードって言っていたなあ、地中海出身としてはありがたい」


春麗

「杏仁豆腐ねえ・・・ふむふむ」


そんな中、楓は全てをメモしている。

「これを持って薬師様に弟子入りをするとしよう」

「そうすれば、その努力が認められて、光君と一緒に住めるかもしれない」


その楓に華奈は、首を横に振る。

「丸薬勝負で、春奈さんが一歩リード」

「あくまでも、丸薬限定だけど」


さて、そんな周囲が見守る中、光は目をはっきりと開けた。

そして、大きく背伸びと、あくび。


春奈が、そっと光に声をかけた。

「光君・・・お薬美味しかったの?」


光は、本当ににっこり。

「うん!春奈さん!ありがとう!」

「メチャ美味しかった!」

「春奈さんのおかげだよ、何か力が湧いてきた」

「春奈さん、大好き!」


春奈は、真っ赤。

しかしためらわなかった。

思いっきり、光の顔を、その胸に包み込んでいる。



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