ソフィーの巫女招集メール
横浜元町で様々買い込んだ「候補者世代」の巫女たちは、中華街に入った。
ここでは、やはり九天玄女の巫女である春麗がリーダーとなる。
「ねえ、せっかく中華街に来たんだから、中華菓子を買って帰ろうよ」
「騒ぎもすっかりおさまっているから、安全だよ」
やはりキラキラとした超美少女、その表情がますます明るくなった、
他の巫女たちは、全く異存がなかった。
由香利
「そうだね、ここは春麗におまかせだね」
由紀
「中国人から見て、お勧めの中華菓子とかお店を教えて」
華奈
「光さんでも、食べそうなのがいいな、それを私と二つ、いや一個を分け合いたい」
楓
「うーん・・・また荷物が増えるなあ、チョコレート買い過ぎたかな、しょうがないなあ、奈良町には売っていないし」
キャサリン
「そうねえ、月餅の餡が好きなの」
サラ
「椰子餡も好き」
・・・・・結局、食べ盛りの巫女たちは、春麗の勧める高級中華菓子店で、相当買い込むことになった。
さて、その中華菓子店を出て、巫女たちが、もう少し中華街を散歩しようと歩きだした時、全員のスマホにソフィーからのメールが入った。
「今、光君はルシェールの胸に包み込まれてしまった」
「かなり危険なので、分離工作をしなければならない」
「分離工作の一環として、ホテルの一部屋を借りて、お茶会を開く」
「基本的にはホテルのクッキーを使用するけれど、何か買ってきてもらってもいい」
メールの内容は、端的なもの。
しかし、候補者世代巫女にとっては、決してスルーが出来ない一文が冒頭にある。
華奈の表情が変わった。
「まずい!ルシェールの胸は、最近ますます発達した!」
由香利
「白蛇精より美しい胸・・・年増じゃないし・・・」
由紀
「日本人離れしている・・・って・・・日本人じゃないか・・・」
華奈はともかく、由香利と由紀まで、慌て始めた。
日頃は冷静なキャサリンも、その歩行速度をあげた。
「うーん・・・全てを癒す聖母マリアの胸か・・・」
サラは、我慢できなかった。
「ねえ!ヤバイよ!走ろう!ここで決まっちゃったら意味ない」
春麗は、走り出した。
「お菓子買い過ぎた!その間に光君はルシェールの胸?」
楓は、また違う。
「光君は、そういう肉体には無反応と思うけれどなあ・・・」
「でも、あのホテルのクッキーなら、美味しいはず」
結局、全員が走ることになった。
さて、そのメールを送ったソフィーは高笑い。
「候補者世代巫女」が走り出す様子を、高層ホテルの窓から、しっかり確認。
「まあ、一番簡単な召集令状になる」
「ああいった若い子たちは、元町とか中華街を散歩したら、何時間でも歩く」
「それにしても、みんな足が速いなあ・・・」
「楓ちゃんまで速い・・・従妹だから候補者にはなれないのに・・・」
「あ!そうか・・・クッキー食べたいんだ・・・食欲ね・・・」
春奈も、ソフィーの隣に立った。
そして、ほぼ「競争」のように走ってホテルに帰ってくる巫女たちを見る。
「すっごいレースだねえ・・・でも・・・決まっているのでは?」
春奈の気持ちは、「すでにルシェールに決定」に傾きつつある。