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ソフィーの分析 白蛇精も?

上空をものすごいスピードで移動する鳥神カルラの上で、ソフィーが分析をはじめた。


「上海から横浜中華街向けの貨物の中の真空パックの肉に、視肉と太歳が合体する形で入り込んだ」

「つまり、その肉は美味しくてたまらない」

「そのうえ、いくら切っても、食べてもなくならない、拡散力を持つ」

「しかし、長く持って一年、下手をするとその前に、確実に人を殺すウィルスが仕込んである」

「中華街でも目指すのは、まず関帝廟」

「視肉は、古代の帝王の墓、霊廟には必ず潜む」

「関羽の霊廟であるならば、なおさら」


光が厳しい表情で、ソフィーの後に続いた。

「それでなくても、中華食を求めて人々が殺到する中華街」

「そこで、殺人ウィルスが仕込まれた視肉と太歳の合体肉を食せば、その拡散性の危険を考えれば、今止めなければならない」


春麗は、さらに厳しい表情。

「入って来たのが、それだけであるならば、まだいいけれど・・・」

そして光の顔をじっと見て、

「・・・もしかすると・・・・白蛇精も・・・」

とつぶやいた。


ソフィーは、その春麗の「白蛇精」に反応。

また、探り出し、説明をする。

「白蛇精は、人間の男を好む如蛇の精、白い鱗の大蛇が正体だった」

「男の肝を食べて殺す蛇」


宗教史学者である美紀が話しはじめた。

「そもそも白い鱗の大蛇が、美しくて身分の高い女性に変身して、男を誘惑して夜の相手をさせるのが白蛇精」

「しかし、その男に飽きると、その男を殺して生き胆を奪う」

「中国の16世紀頃の、西湖三塔記という小説に登場する妖怪」


春麗が、美紀に頭を下げて話しはじめた。

「その物語は、主人公の美青年が、白蛇精の住む湖に旅行した」

「おそらく観光程度だったけれど、その湖のほとりで、迷子になっていた女の子を助けたら、祖母のような人が現れて、お礼ということで、宮殿に案内された」

「その宮殿には、その絶世の美女の女婦人がいて、結局その美青年は誘惑され、一夜を共にしてしまう」

「しかし、その美青年の前にも、そうなった青年がいて、生き胆を食べられて殺されてしまう」

「そんなことの繰り返しだった」

「逃げても追われて、捕まってしまう」

「結局は、その美青年の叔父である道士が法力で、撃退をしたという話」



そんな怖い話をじっと聞いていた巫女たちが騒ぎ出した。


華奈

「光さんは、鎖で縛りつける」

「当分、お肉は厳禁」

キャサリン

「女性は私たち以外には見てはいけません」

サラ

「幼い女の子が泣いていても無視してください」

・・・・・・

様々、声がかかるけれど、光は全く聞いていない。


光は、巫女たちには反応せず、八部衆の神「サカラ」に声をかけた。

「サッ君、ちょっとお願い」


その「サッ君」と呼ばれたサカラは、苦笑い。

頭上には蛇が巻き、その蛇の頭が立っているけれど、サカラ自身の顔はまるで少年そのもの、本当に愛らしい顔。

「まるで子供みたいな・・・・」

「で、お願いって?」


光は、サカラ神にフフッと笑う、何か「タクラミ」がある様子。



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