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関西風ニシン蕎麦 由紀の奥深い実力

ソフィーの対応も速かった。

あっという間に蕎麦屋に連絡、座席を確保した。

そして光に

「あそこのお店、北円堂の隣の坂をさがった所」

「街中だから、歩きだよ」と告げる。


光は、フンフンと頷き、「いいね」とニッコリ。

ソフィーもそれで、ようやくホッとした。


さて、光たち一行が、その蕎麦屋に入り注文したのは、やはりニシン蕎麦とおでん、全て関西風のもの。

ニシン蕎麦は、鰊の甘露煮をかけ蕎麦にトッピングしたもの。

出汁は関西風の薄口。

また生蕎麦ではなく茹で蕎麦を使っており、二度茹ですることで、非常に柔らかい食感に仕上がっている。


光は目を閉じてニシン蕎麦を味わっている。

「なんか、ホッコリして美味しい」

「食べやすい、関東風の蕎麦ではないけれど」

「あれはあれで好き、でもこれも好き」


特に関東育ちの巫女である由紀も、美味しくてたまらないようだ。

「ねえ、光君、マジで美味しい」

「この出汁の取り方も関東とは全然違う」


光は、そんな由紀にスンナリと反応。

「それは文化の違いもあるかなあ」

「関東というか江戸は、侍もいたけれど、職人の街」

「とにかくセッカチで、強くて歯切れがいいことが、格好良かった」

「浅草の藪とか、ここの出汁とは全然違う」

「どっちも好きだよ」


由紀は、光にまた声をかける。

「光君と、今度は関東の蕎麦食べたいなあ」

「お店はお任せする」


光もマンザラではない感じ。

「そうだねえ、いろいろ名店はあるよ、神田の藪、まつや、上野、浅草、麻布にもあるかなあ、どれも特色がある」

とにかく由紀と光の会話は、長年同じクラスで隣同士、スンナリと進む。


これには、まず楓が注目。

「あらーーー・・・由紀ちゃん、光君と息がピッタリ」

「春奈さんとソフィーにはちょっと壁を作っている」

「ルシェールには、少々甘え気味」

「由香利さんの時は、真っ赤になる」

「キャサリン、サラ、春麗とは、まだわからないけれど・・・」

「とにかく、光君の顔が、由紀ちゃんと話している時は、ストレスも何もない普通そのものの光君だなあ・・・これは・・・一番合っているのかも」


そんなことをブツブツつぶやく楓の心を、華奈が読んだ。

そして、かなり気にいらない顔。

「ねえ、楓ちゃん、私の名前が出ないって、どういうこと?」

「私が一番若くて可愛い、それを名前のカケラも出ないって、それは人権侵害、憲法違反では?」


しかし、楓は、華奈への返事よりは、由紀を中心とした「ギャルズトーク」に加わってしまい、華奈もあっけなく参加してしまう。


そんな、華奈の文句もあったけれど、特に「母親世代巫女」たちも、楓と同じようなことを感じている。


圭子

「由紀ちゃんは、すっごい力の持ち主だよ、光君が心を閉ざした期間、ずっと何も言わず支えてきたの」

奈津美

「ほんと、助かる、ああいう冷静な女の子がいてくれると」

美智子

「私の春奈も、時々切れて光君を責めるからなあ・・・全く年甲斐が無い、でも由紀さんは、それがない、常に安定している」

ナタリー

「とにかく由紀さんは、スンナリと光君を支えることができる。ルシェールは無理やりの時もあるけれど」

ニケも、深く頷いた。

「とにかく気が利いて大らか、さすが寒川大神の巫女」


まずは光とスンナリと話をして、次に「候補者巫女」たちを巻き込んで、なごやかに話をする由紀に、母親世代の巫女は目を細めている。

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