光家の玄関にて
光たちの一行は、ようやく光の家に入った。
すると、玄関に華奈の母、美紀が待ち構えている。
光は
「あ、美紀叔母さん、いろいろとすみません」
と頭を下げる。
美紀は、光の顔を見て、「うん」と頷き、少しの時間、光をハグ。
「これから、また大変だね」
と、背中をなでる。
すると、それを見ていた華奈が、文句。
「母さん!それって私のお役目でしょう?」
「母が娘の恋路を邪魔してどうするの!」
「いい加減に、光さんを私によこしなさい!」
と、言うけれど、美紀は華奈を完全にスルー。
光のハグをやめ、キャサリン、サラ、春麗に頭を下げる。
「ようこそ、キャサリン、サラ、春麗」
「お待ちしておりました」
「是非、中に・・・」
本当に華奈のことなど、一切眼中にない。
美紀のお辞儀を受けて、まずキャサリン。
「こちらこそ、はじめまして、キャサリンと申します、かの有名な宗教学者の美紀様、そして伊勢神宮の巫女様の系譜、それより何より、光君にすごく近いお方、これからも、よろしくお付き合いをお願いいたします」
まさに西洋騎士風のキチンとした礼をする。
続いてサラ
「はじめまして、サラと申します、私もかねてから美紀様の素晴らしい論文に憧れてまいりました、ギリシャ・地中海の霊界グループ全体としても、美紀様の論文にどれほど力をいただいたことか、今後も光君ともども、よろしくお願いいたします」
と、サラは美紀をしっかりと抱きしめてしまう。
最後に春麗
「美紀先生、私が春麗、子供の頃には、大変お世話になりました、また逢えて本当にうれしいよ、これからもよろしくね!」
春麗は、中華風に両手を合わせて礼をする。
それを見て、美紀はニコニコとする。
そんな春麗と、母美紀を「ポカン」と見ていた華奈の脇を、由紀がつついた。
「ねえ、華奈ちゃん、実は知っていたの?」
「華奈ちゃんのお母様と春麗って知り合いみたいだけど」
しかし、華奈は首を横に振る。
「いや、知らないもの、あんな可愛い子」
春奈も首を傾げる。
「なんだかわからないけど・・・後で聞こう」
そんなことで、玄関で少々渋滞していると、ルシェールと由香利も出てきた。
ルシェールと由香利は、キャサリン、サラ、春麗に一旦深く頭を下げてから
ルシェール
「とにかく、全員二階の和室に」
由香利
「シュークリームとエクレア」
「それから紅茶も淹れる」
光もようやく口を開く。
「じゃあ、全員の対面式かなあ」
「とりあえず、都内組?」
すると、ルシェールが珍しくムッとした顔。
「そんなことないって、光君」
由香利もムッとした顔で
「あのね、すでに二階の和室の超大画面モニターと奈良の巫女連中がつながっていてさ・・・」
その言葉で、春奈、華奈がビクンと肩を震わせる。
光も、うなった。
「もしかして、春奈さんのお母さんの美智子さんとか、圭子おばさんはいいけど・・・楓ちゃんも?」
特に、日本育ち巫女は、真っ青になっている。