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奈良氷室神社(1)

奈良氷室神社は、「氷」を祀る、世界でも稀な神社。

由緒としては、元明天皇の御世(和銅3年7月22日)、勅命により平城京の左京、春日の御蓋の春日山に鎮祀されことに始まる。

その後は、盛んに貯水を起こし冷の応用を教えられた。

これが平城七朝の氷室で、世に平城氷室とも御蓋氷室とも春日の氷室とも言われた。


また、氷室神社には当然、製氷業者の信仰が篤く、毎年5月1日には献氷祭が催される。

その際、神前にはタイやコイを封じ込めた高さ1mの氷柱が奉納される。

春には境内を彩るしだれ桜が素晴らしい。


その他、明治三年に廃止されるまで、氷室神社に置かれた旧南都楽所を中心に奈良における舞楽が受け継がれてきた。

明治維新により三方楽人(奈良・大阪・京都)が国に召され、曲や舞が一本化されていったのが、現在の宮内庁楽部になる


さて、特に光は、氷室神社にいるのがうれしいようだ。

氷室神社に入るなり、ずっとニコニコしている。


そんな光に華奈が、スッと近づく。

「ねえ、光さん、懐かしいよね、ここって」

華奈が懐かしいというのだから、おそらく子供時代のことでも、思い出しているのだろうか。


その華奈の言葉を聞きとった、ルシェールと楓も光に近づく。


ただ、そこで始まったのは、単なる「口争い」だった。


ルシェール

「そうだよね、献氷祭に来たよね」

「その後、かき氷食べた」

ルシェール

「食べながら華奈ちゃんが、頭が痛くなったって、光君に抱きついた」

「うん、でも、すぐに演技ってわかったから、引きはがした」

華奈

「でも、光さんは、やさしいから、その後、手をつないで歩いてくれたよ?」

ルシェール

「そんなの五分ぐらいでしょ?すぐに離したよ、光君は」

「そうそう、華奈ちゃんの演技がバレてさ、それだって華奈ちゃんが悪い」

ルシェール

「華奈ちゃんが綿菓子食べたいって言いだしたからでしょ?」

華奈

「・・・だって、光さんと一緒に食べたかったんだもの」

「華奈ちゃんは、そういう下手くそな抜け駆けをしようとするから、叱られるの」

ルシェール

「まあ、ずっと下手くそでいてくれたほうが、私にはいいけれど」

華奈

「何よ、ルシェール!その言い方、ひどくない?」

「ルシェールの言い分はよくわかる」

・・・・様々、どうでもいい「口争い」が続いていたけれど、「案の定」光は何も聞いていない。


途中から、本殿前に進み、目を閉じて何かを祈っている。



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