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八百万の神々の対照表?

光と巫女たちの一行は、春日大社本殿と若宮十五社めぐりを終え、不思議な神職に見送られて、春日大社を後にした。


次は、至近の距離の氷室神社の予定。

サロンバスに乗り込むと、光はサラに話しかけられた。


サラ

「たくさんの神の社を巡ったんだけど、違和感がないの」

「へえ、キリスト教圏のサラなのに?」

サラは首を横に振る。

「日本も、八百万の神々ってあるんだけど、地中海世界も実はそうなの」


そのサラと光の会話に、他の巫女も興味があるらしい。

じっと聞いている。


光は、授業で習ったことを思いだした。

「地中海世界ねえ・・・そういえば、キリスト教以前は多神教って、聞いたことがある」


その光の反応にサラは、にっこり。

「そうなの、古代ローマなんて、本当に多神教なの」

「もともとギリシャのオリンポス十二神を導入しているし」

「ゼウスがユピテルで天空の最高神、ヘラがユーノーで出産を司る最高の女神、アテナがミネルヴァで技芸と知恵、闘いの女神とかね」


光も少しずつ、勉強したことを思いだした。

「アポロはそのままアポロ、アレースがマルスで闘いの神、アフロディーテがヴィーナスで愛と性と美の女神」

「ヘルメスがメルクリウスで商業の神、そしてサラちゃんのアルテミスがディアナで狩猟と貞操の女神、月の女神」


サラ

「そうなの、ご名答、ほかには、ポセイドンがネプチューンで海の神、デーメーテールがケレースで豊穣の女神、ヘーバイストスがウゥルカーヌスで鍛冶の神、ヘスティアがウェスタで竈の女神で慈母神」

と説明し、まだ含みがある様子。


光が、サラの含みに反応した。

「そう言えば、そういう十二神ばかりではなく?」


サラは、またうれしそうな顔。

「そうなの、ディオニソスはバッカスで酒の神、ハデスはプルートで冥界・地獄の王で黄泉の国の神、ペルセポネはプロセルピナで春と芽吹きの季節の女神」


ただ、途中からルシェールとキャサリンが割って入って来た。

どうやら、光とサラの親し気な会話が気に入らない様子。


ルシェール

「光君、ケルトの神々とか妖精を忘れてもらっては困るの」

キャサリンは、そのキリッとした顔が、ますます引き締まる。


また春麗も、そんな感じ。

「中国だって、本当にたくさんの神様がおられるの」

「数限りないほどね」


そんな様子を見て、笑いだしてしまったのが、宗教史学者である美紀。

「そうね、いつかは、それぞれの神の名前とご利益を記した対照表をつくるのも面白いかも」


サロンバスで、そんな話をしていた一行は、いつの間にか氷室神社に到着してしいた。


光は、そこで恥ずかしそうな顔。

「そうだよね、ここ、春日大社とは至近距離」

「歩けたかもしれない」

「神様の話も中途半端だった」


そんな光の「今さらながらの恥ずかしそうな顔」に、巫女たち全員が呆れている。


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