発見!楓と春麗の大の苦手と光の無神経発言
母親世代巫女に、春奈とソフィーが加わって深刻な話し合いをする中、「光のお嫁さん候補巫女」たちは、光の部屋に「ほぼ強引」に押し掛け、また違う話をはじめている。
司会進行も何も楓が話しはじめた。
「とにかく、今回の蠅の神対策は、なかなか面倒」
「私も春日山に入って、様々薬草も仕入れたよ」
「それと・・・それをもとに、飲み薬を作るんだけど」
光がその「飲み薬」に反応した。
「ねえ、あの苦い薬なの?」
光には、以前、クリスマスの時期に、「滋養強壮のため」と称して、楓から「超苦い丸薬」を、無理やり飲まされた悪夢がよみがえっている。
楓は、そんな光にニンマリ。
「うんうん!そうなの!光君は主役だから、メッチャ苦いのにするーーー!」
「はぁ、楽しみ!その涙ながらに光君が飲む姿が最高なの!」
「春奈さんに録画して送ってもらうかなあ、いや実況中継?」
「あーーーいいや!私が光君の家に住んで、春奈さんは追い出して・・・」
春奈が聞いたら「目をむいて怒る」ようなことを、本当にうれしそうに口にする。
その楓の発言には、華奈が反撃する。
「それは困るって、楓ちゃん、私たちも安眠したいもの」
楓が「安眠?」と首を傾げていると、ルシェールが華奈の言葉を補足する。
「だって、楓ちゃんって、起きていても寝ていても、うるさすぎ」
「寝相はひどいし、寝ながら歌は歌うしさ」
「光君の滋養強壮の前に、みんなが安眠できなくて、倒れちゃう」
「うっ」となってしまった楓に光が声をかけた。
「ところでさ、蠅対策は薬だけなの?」
由香利も楓の顔を見た。
「そうだよね、衛生管理とかもあるよね、それと・・・他には・・・」
由紀は、すぐに思い付いた。
「殺虫剤、蠅取り紙、それと・・・えっと・・・」
由紀の言葉で、楓が少しひるみつつある。
キャサリンが、ハッと気がついたようだ。
「もしかして・・・蜘蛛?」
サラは楓の表情を捉えた。
「うん、蠅取り蜘蛛ってあるけれど・・・まさか楓ちゃん・・・苦手?」
サラの言う通り、「強気でなる楓」の表情が、キャサリンの口から「蜘蛛」という単語が出た瞬間から、蒼ざめている。
春麗も、実は苦手のようだ。
「うーん・・・どうして簡単に蜘蛛なんて言葉を口にするの?」
「なんか、背中がザワザワしてきた・・・」
春麗も、「蜘蛛苦手」ということで、立ち上がって楓の隣に座ってしまう。
じっと聞いていた光が口を開いた。
「へえ・・・楓ちゃんも春麗も苦手なものがあるんだ」
「そうだったんだ」
と言いながら、「蜘蛛ねえ・・・これも面白いなあ」
と考え始めている。
楓は、そんな光をうらめしそうな顔。
「あのね、私だって、か弱い乙女なの」
「それにさ、光君って、小さな頃から私の家に泊まりに来ていて、知らなかったの?」
「それも呆れる・・・ほんと、大ボケのカタマリ」
ただ、光はそんな楓に関心はない。
「そういえば、圭子叔母さんが、蜘蛛は神の使いって、小さな頃聞いたことがある、家の守り神とも」
そして、楓の顔をじっと見た。
「ねえ、楓ちゃん、春日山に蜘蛛を探しに行こう」
楓と春麗は、光ならではの「無神経な発言」に、倒れる寸前になっている。