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明日の計画 春奈とその母美智子

美味としか表現のしようがないフランス料理もほぼ食べ終わり、ソフィーが「明日の予定」の説明をはじめた。


ソフィー

「まずは、本日はお疲れ様でした、伊勢神宮外宮、内宮、そして東大寺と無事にスケジュールをこなすことができました」

と、一旦全員に頭を下げ

「なお、明日の予定としては、全てここの界隈となりますので、ご承知おき願います」

「朝は、まず春日大社、氷室神社、そして興福寺、それから林神社、ナタリーとルシェールの教会など」

「時間が許せば、西の京の薬師寺と唐招提寺まで、これはサロンバスになります」


光は、少し不満顔。

「ここらへんでも全てサロンバスでもいいけれど、歩くの?」


その光に奈良育ちの巫女全員が呆れた。

春奈

「あのさ、目と鼻の距離でしょ?」

奈津美

「わが甥ながら、恥ずかしい、私でも歩くのに」

圭子

「菜穂子さんに叱ってもらおう、かわりに一緒にどう?奈津美さん」

華奈は、ニンマリと笑う。

「しょうがないなあ、じゃあ光さん、私が腕を組んであげるから、それで我慢して」

ルシェールは即座に華奈に反発。

「・・・どさくさまぎれに・・・腕を組むのは私、パワーが違う」


ただ、ソフィーだけは呆れながらも真剣に考えている。

「何しろねえ、警備も必要だしねえ・・・しかし、これだけの人数がゾロゾロ歩くのもねえ・・・」


少し話が停滞していると、光がまた違うことを言い出した。

「ルシェールとナタリーの教会からちょっと歩いた先に、聖武天皇と光明皇后の陵があるから行きたい」

「それと、方角は逆になるけれど、元興寺を抜くわけにできない」

「それだから、サロンバスって言ったの」

「全部歩くと、奈良公園界隈と言っても、かなり距離あるし、時間もかかる」

光としては、まともな意見になっている。


じっと黙っていた楓が口を開いた。

「しょうがないなあ、時間がないっていうんだから」

「サロンバスにしましょう」

ただ、その本音は「歩くのが面倒」である。


結局、光と楓の考え通り、「極力サロンバスでの移動」が決定となった。



そんな話が終わり、ディナーもお開きになった。

圭子は、少しすまなそうな顔。

「都内とかのホテルなら、これから夜の街歩きもできるけれど」

「奈良町は店が全て閉店」


春奈は、そうは思わないらしい。

「私も学園の教師でございますので、この少年少女を不品行な場所に出入りさせないように管理しなければなりません」

「その意味において、便利この上ないホテルの立地です」


そんな春奈を、春奈の毒舌母美智子が襲った。

「は?そんな楽ができる教師ねえ・・・」

「おっとり春奈には、ちょうどいいか」


春奈は、ムッとなった。

「ほんと、久しぶりに逢ったのに、この口の悪さって何?」

ただ、その春奈の袖を美智子が引いた。

何か特別に伝えたいことがある時の、真面目な顔になっている。


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