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お伊勢参り(4)

光と巫女たちを乗せた豪華なサロンバスは、神奈川県から静岡県に入った。

すると、途端に外国人巫女のキャサリン、サラ、春麗がソワソワとし始めた。


キャサリン

「とにかく富士山が見たいんです!憧れなんです!」

「あ、見えました!感激です!あーーーすっごい!」

いつものキチンと冷静なキャサリンとは思えない程、目がキラキラとしている。


サラも興奮している。

「うわーーー!すっごい大きいです、堂々として・・・神を感じます」

「はぁ・・・力もらえました・・・」

サラは、目を閉じて胸の前で十字を切っている。


春麗は、とにかくニコニコと富士山を愛でる。

「コノハナサクヤ姫様、春麗です、あなたに会いに来ましたよ」

「うっれしいなあ、幸せです」


日本人巫女たちは、外国人巫女の富士山に対する反応に驚いてしまった。

春奈

「へえ、ここまでだったんだ、すごいなあ」

ソフィー

「かつてはフジヤマ、ゲイシャが日本の代名詞って言われたけれどねえ・・・」


由香利、由紀、華奈、ルシェールも、興奮している外国人巫女を、面白そうに見ている。


さて、美紀は眠りこける光を、少しつつく。

「ねえ、光君、富士山だけど、見る?」


しかし、光は少し目をあけただけ。

「いいよ、眠い、美紀叔母さんの肩が気持ちがいい」

「すごく懐かしい感じ」

「安心する」

結局また眠ってしまった。



その光が、ようやく目を開けたのは、浜松を過ぎた頃。

美紀の肩から、顔を起こしてサロンバスの様子を見る。


光は、そこで驚いた。

「わ!すっごい!お菓子だらけ・・・」

「シュークリーム?プリン?ワッフル?へえロクムもある」

「あ、みたらし団子と、濡れせんべいも、ゴマ饅頭もあるんだ」


春奈は、そこで少し光に文句を言う。

「寝ちゃうからわからなかったんでしょ?」

「どうしてそう寝坊助さんなの?」


光は、しかし聞いていない。

「和洋中、折衷のお菓子だねえ」

と、もう一度お菓子を見回して、

「なんか珈琲飲みたくなった」


由香利はあきれた。

「少しは何か食べるかと期待していれば珈琲?」

それでも、

「しょうがないなあ」

と言いながら、サロンバス備え付けの珈琲メーカーから、光に珈琲を渡している。


さて。光は、その珈琲を飲みながら、また変なことを言い出した。

ルシェールに向かって

「ねえ、ルシェール、バニラのアイスにね、お醤油たらしたことある?」


ルシェールは「え?マジ?」と言う顔で、答えられない。

ただ、答えられないのは、ルシェールだけではない、他の巫女も全く呆れて声が出ない。


すると、光はニンマリ。

何故か、みたらし団子を手に取って

「ふふ、この味になるんだ」

光は、あっ気にとられる巫女たちの前で、ようやくお菓子を口にしている。

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