お伊勢参り(2)
眠ってしまった光はともかく、サロンバスの中は、やはり女子会。
持ちよりお菓子パーティーになってしまった。
ルシェールの絶品シュークリーム。
ソフィーのトロリとした玉子プリン。
キャサリンのハチミツたっぷりワッフル。
サラのトルコ風ロクム。
春麗はやはり中華、ゴマ団子。
料理が不安な華奈は、母美紀と一緒につくったらしい、みたらし団子。
由香利は自分で焼いた濡れせんべい。
春奈はさすがにお菓子が多すぎると思ったのか、飲み物を準備した。
すなわち、緑茶、紅茶の類。
また、便利なことに、サロンバスの中には、珈琲メーカーも備え付けてあった。
春奈は、まずあまりのお菓子の多さに笑ってしまった。
「食べ過ぎるとお昼が食べられなくなるかな」
ソフィーは、そんなことは言わない。
「いや、食べたもの勝ち、若いから消化が早い」
シュークリームを食べながら、ここで「自分より年増」の春奈をけん制する。
ルシェールはニコニコ。
「お伊勢様の参道を歩くのですから、体力はつけないと」
そう言いながら、プリンをペロリ。
キャサリンは、まずシュークリームに目を丸くする。
「皮といい中のクリームといい、美味しくてたまりません、今度指導をお願いします」
やはり真面目なキャサリン、頭を下げてルシェールに弟子入り志願をする。
サラは、まずキャサリンのワッフルを口に。
「うん、これシンプルにして、美味しい、アメリカの幸福な家庭って味がする」
それにはキャサリンもうれしそうな顔になる。
春麗は、ロクムをパクパク。
「いろんなロクムがあるね、ピスタチオが好きかなあ、あ、でもチョコレートのも味が深い、さすが世界三大料理だね」
フレンチ、中華と並ぶ世界三大料理のトルコ料理は、春麗にも感心があるようだ。
さて、華奈は、仲良し春麗のゴマ団子が大好き。
「この餡の味の深さ、美味しくてたまらない」
春麗も、華奈がお気に入り。
「ねえ、華奈ちゃん、奈良に行ったら、お饅頭の神社に案内してね、我が中国人の先祖が祀ってあるんだって」
華奈も、その場所をよく知っているらしく、ニコニコとしている。